“を”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヲ
語句割合
居33.2%
折11.2%
惜9.2%
尾6.9%
緒6.7%
了4.1%
男3.2%
雄2.7%
食2.3%
終2.1%
愛1.8%
卒1.2%
畢1.1%
苧0.9%
措0.9%
下0.7%
小0.7%
青0.5%
峰0.5%
墜0.4%
紵0.4%
織0.4%
麻0.4%
お0.4%
丘0.4%
吝0.4%
我0.4%
押0.4%
招0.4%
牡0.4%
置0.4%
座0.2%
竟0.2%
訖0.2%
乳0.2%
処0.2%
叔0.2%
命0.2%
咋0.2%
喰0.2%
壓0.2%
岑0.2%
岡0.2%
峯0.2%
峽0.2%
已0.2%
帶0.2%
憾0.2%
拜0.2%
擱0.2%
於0.2%
竣0.2%
箇0.2%
老0.2%
落0.2%
處0.2%
被0.2%
謙0.2%
負0.2%
起0.2%
追0.2%
遠0.2%
降0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何の氣なしに電車に乘つてから築地に居(を)る宇田流水の事を思出して、在宅か否かは知らぬが兎に角無聊を慰める爲めに彼を訪問した。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
長吉(ちやうきち)は仕方(しかた)なしに唯(た)だ左へ左へと、いゝかげんに折(を)れて行(ゆ)くと蔵造(くらづく)りの問屋らしい商家(しやうか)のつゞいた同じやうな堀割(ほりわり)の岸に二度も出た。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
有爲轉變(うゐてんぺん)の世の中に、只〻最後の潔(いさぎよ)きこそ肝要なるに、天に背(そむ)き人に離れ、いづれ遁(のが)れぬ終(をはり)をば、何處(いづこ)まで惜(を)しまるゝ一門の人々ぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
父(ちゝ)なるものは蚊柱(かばしら)の立(たつ)てる厩(うまや)の側(そば)でぶる/\と鬣(たてがみ)を撼(ゆる)がしながら、ぱさり/\と尾(を)で臀(しり)の邊(あたり)を叩(たゝ)いて居(ゐ)る馬(うま)に秣(まぐさ)を與(あた)へて居(ゐ)る。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「いゝえ、私、何よりも見附かるのが怖(こは)うございますの。ですから、その緒(を)になるやうなことは何も申上げないことにいたします。」
昨(さく)三十七年(ねん)十二月(ぐわつ)某夜(ばうや)の事(こと)なりき、例(れい)の如(ごと)く灌水(くわんすゐ)を了(を)へて蓐(じよく)に入(い)り眠(ねむり)に就(つ)きし間(ま)もなく、何者(なにもの)か來(きた)りて余(よ)に七福(しちふく)を與(あた)ふと告(つ)げたりと夢(ゆめ)む。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
ここにその御刀(みはかし)の前(さき)に著ける血、湯津石村(ゆついはむら)六に走(たばし)りつきて成りませる神の名は、石拆(いはさく)の神。次に根拆(ねさく)の神。次に石筒(いはづつ)の男(を)の神。
わが父はつれづれの翁(おきな)、鶉(うづら)飼(か)ひひめもす飽かず、鶉籠雌(め)と雄(を)とさし寄せ、行き通へよく番(つが)へとぞ、い坐(すわ)ると、膝に肘張り、眼を凝らし、ただにおはせり。
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
わがどちはこの我は、わが妻とても、今さらに食(を)さずともよし、食(を)さずともよし。ましら玉しら玉あはれ、しら玉の米、玉の米、米の玉あはれ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
愛(あい)ちやんは自(みづか)ら思(おも)ふやう、『何時(いつ)話(はな)し終(を)へるんだか私(わたし)には解(わか)らないわ、話(はな)し初(はじ)めもしないで居(ゐ)てさ』併(しか)し愛(あい)ちやんは我慢(がまん)して待(ま)つてゐました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「香具山(かぐやま)は畝傍(うねび)を愛(を)しと、耳成(みみなし)と相争ひき、神代より斯くなるらし、古(いにしへ)も然(しか)なれこそ、現身(うつそみ)も妻を、争ふらしき」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
張る氣を母氣とすれば、逸(はや)る氣は子氣である。逸る氣は直上して功を急ぐ氣で、枯草乾柴(けんさい)の火の續かず、飆風の朝を卒(を)へざるが如き者である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
わたくしは筆を擱(さしお)くに臨んで、先づ此等の篇を載せて年を累(かさ)ね、謗書旁午(ばうしよばうご)の間にわたくしをして稿を畢(を)ふることを得しめた新聞社に感謝する。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わが帆木綿の上なる穉子をゆすぶる傍にて、媼は苧(を)うみつゝ、我に新しき祈祷を教へ、まだ聞かぬ聖(ひじり)の上を語り、またこの野邊に出づる劫盜(ひはぎ)の事を話せり。
食料(くひもの)措(を)しがるなんち業(ごふ)つくばりもねえもんぢやねえか、本當(ほんたう)に罰(ばち)つたかりだから、俺(お)らだら生(い)かしちや置(お)かねえ、いや全(まつた)くだよ
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
(貴僧(あなた)、こゝから下(を)りるのでございます、辷(すべ)りはいたしませぬが道(みち)が酷(ひど)うございますからお静(しづか)に、)といふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
曾我十郎の歌は、「今日出でて巡りあわずば小(を)車のこの輪のうちになしと知れ君」とあった。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
さ青(を)の田に沁みつつひびく蝉のこゑ夕づきにけりうつくしき晴
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
塔(たふ)の沢のいかもの店に女唐(めたう)停(た)ちその向(むか)つ峰(を)の桜花(はな)盛りなり
桜 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
隱し念佛の亡者にならうとして居るんだぜ——お藏念佛の新發意(しんぼち)になつたら最後、切支丹の方からは破門で、眞つ逆樣に地獄に墜(を)ちると思ひ込んだことだらう。
夏刈(なつがり)の麻の紵(を)がらの軽き身をわれから重くするや何ゆゑ
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
母娘(おやこ)は顏(かほ)をみあはせましたが、寂(さび)しさうにその何方(どちら)からも何(なん)とも言(ゆ)はず、そして※ (かな/\)のうしろ姿(すがた)がすつかり見(み)えなくなると、またせつせと側目(わきめ)もふらずに織(を)り出(だ)しました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
絹の絲と績(う)み麻(を)との間を行くやうな妙な絲の。此で、切れさへしなければなう。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
国のため天下のためちからお(を)つくしおり申候。どふぞおんよろこびねがいあげ、かしこ。
くすの木の木垂るしげ丘(を)は秋風に吹かれの瓢ころぶすが如し
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すこしばかりの賄賂(まひなひ)を吝(を)しみし御蔭にて憐れなる初花太夫は磔刑(はりつけ)か火焙(ひあぶ)りか。音に名高き初花楼も取潰しのほか候まじ
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
馬鹿野郎(ばかやらう)呼(よば)はりは太吉(たきち)をかこつけに我(を)れへの當(あて)こすり、子(こ)に向(むか)つて父親(てゝおや)の讒訴(ざんそ)をいふ女房(にようぼう)氣質(かたぎ)を誰(た)れが教(おし)へた、お力(りき)が鬼(をに)なら手前(てまへ)は魔王(まわう)、商買人(しようばいにん)のだましは知(し)れて居(ゐ)れど
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
帽子 土偶中には帽子(ばうし)を戴きたるが如くに作(つく)られたる物二個有り。一は鍔の幅廣(はばひろ)き帽子をば後部にて縱に截り、鍔(つば)の端(はし)をば下の方に引(ひ)きて且つ後頭部に押(を)し付けたるが如き形(かた)なり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
誰(たれ)を招(を)ぐ
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
牡(を)牛をも大切にする風があつて、其(その)角を絵具で染め又は金属で被(おほ)うて居るのを見受けた。又牝(め)牛の糞(ふん)を幸福の呪(まじなひ)に額へ塗つて居るヒンヅ人にも沢山(たくさん)出会つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
知(し)れど猶(なほ)も知(し)らぬ顏(かほ)に八重(やへ)が例(つね)に似(に)ぬことよ先(ま)づ云(い)ふて聞(き)かしても宜(よ)さそうなと打怨(うちゑん)ずれば其(そ)やうに御(お)いそぎなされますなと打笑(うちわら)ひながら彼(か)の君(きみ)より御返事(おへんじ)が參(まゐ)りしなり是(これ)がお嬉(うれ)しからぬ事(こと)かと咡(さゝや)かれて耳(みゝ)の根(ね)くわつと熱(あつ)くなりつ胸(むね)とヾろかれて噛(か)む袖(そで)の下(した)に密(そ)と置(を)く藻(も)しほぐさ俄(にはか)には手(て)にも取(と)らぬを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其の夜、左内が枕上(まくらがみ)に人の来たる音しけるに、目さめて見れば、二五灯台(とうだい)の下(もと)に、ちひさげなる翁の笑(ゑみ)をふくみて座(を)れり。左内枕をあげて、ここに来るは誰(た)そ。
さてかの僧を座(を)らしめたる簀子(すのこ)のほとりをもとむるに、影のやうなる人の、僧俗ともわかぬまでに髭(ひげ)髪(かみ)もみだれしに、葎(むぐら)一五〇むすぼほれ、尾花一五一おしなみたるなかに
おのもおのものりたまひ竟(を)へて後に、その妹に告(の)りたまひしく、「女人(をみな)先立(さきだ)ち言へるはふさはず」とのりたまひき。然れども隱處(くみど)に興(おこ)して子(みこ)水蛭子(ひるこ)を生みたまひき九。
ここに殿(との)の縢(くみ)戸一〇より出で向へたまふ時に、伊耶那岐の命語らひて詔りたまひしく、「愛(うつく)しき我(あ)が汝妹(なにも)の命、吾と汝と作れる國、いまだ作り竟(を)へずあれば、還りまさね」
かれ出雲(いづも)に到りまして、大神(おほかみ)を拜み訖(を)へて、還り上ります時に、肥(ひ)の河一八の中に黒樔(くろす)の橋一九を作り、假宮を仕へ奉(まつ)りて、坐(ま)さしめき。
太子(ひつぎのみこ)正勝吾勝勝速日(まさかあかつかちはやび)天の忍穗耳(おしほみみ)の命に詔(の)りたまはく、「今葦原の中つ國を平(ことむ)け訖(を)へぬと白す。かれ言よさし賜へるまにまに、降りまして知らしめせ」
マア斯(か)ういふ事は滅多(めつた)にない事でございます、我々(われ/\)のやうな牛は実(じつ)に骨の折れる事一通(ひととほ)りではありません、女牛(めうし)の乳(を)を絞(しぼ)られる時の痛さといふのは耐(たま)りませんな
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
貫一は目を側めて遊佐が面(おもて)を熟(じ)と候(うかが)へり。その冷(ひややか)に鋭き眼(まなこ)の光は異(あやし)く彼を襲ひて、坐(そぞろ)に熱する怒気を忘れしめぬ。遊佐は忽(たちま)ち吾に復(かへ)れるやうに覚えて、身の危(あやふ)きに処(を)るを省みたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その時三月近く滯在(たいざい)してゐた母の實(じつ)家で若(わか)い叔(を)父が寫眞(しやしん)をやつてゐた。
おのが命(を)を 竊(ぬす)み殺(し)せむと
ここにすなはちその咋(を)し遺(のこ)りの蒜(ひる)の片端もちて、待ち打ちたまへば、その目に中(あた)りて、打ち殺しつ。かれその坂に登り立ちて、三たび歎かして詔りたまひしく、「吾嬬(あづま)はや」と詔りたまひき。
熊野なる鰹の頃に行きあひしかたりぐさぞも然(し)かと喰(を)せこそ
熊野奈智山 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
思ふにコロボツクルは是等の石器(せきき)を用ゐて草木(さうもく)の實(み)を壓(を)し潰(つぶ)し食用(しよくえう)の粉(こ)を製(つく)りしならん。石皿の名(な)は决(けつ)して適切(てきせつ)には非ざれど、他(た)に好(よ)き名を思(おも)ひ付かざれば姑(しばら)く通稱(つうしやう)に從ふのみ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
衣手 常陸の国 二並(ふたなら)ぶ 筑波の山を 見まくほり 君来ましぬと 熱けくに 汗かきなげ 木の根取り うそむき登り 岑(を)の上を
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
あり岡(を)の三 榛(はり)の木の枝。 (歌謠番號九九)
そうすれば、椎の小枝を折ってそれに飯を盛ったと解していいだろう。「片岡の此(この)向(むか)つ峯(を)に椎(しひ)蒔かば今年の夏の陰になみむか」(巻七・一〇九九)も椎(しい)であろうか。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
またその身に蘿(こけ)また檜榲(ひすぎ)生ひ、その長(たけ)谷(たに)八谷峽(を)八尾(を)を度り五て、その腹を見れば、悉に常に血(ち)垂り六爛(ただ)れたり
既に見已(を)へば目を閉開するも、皆明了ならしめよ。是を日想となし、名づけて、初観といふ。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
『斷(だん)じて/\、たとへ此(この)唇(くちびる)が裂(さ)かるゝとも。』と私(わたくし)は斷乎(だんこ)として答(こた)へた。大佐(たいさ)は微笑(びせう)を帶(を)びて私(わたくし)の顏(かほ)を眺(なが)めた。
吐(はか)んと思ひ込みしに冗(むだ)と仕たり瞬間に本山(もとやま)に着けど馬に水もかはず只走りに走る梅澤櫻澤などいふ絶景の地に清く廣やかの宿屋三四軒あり此(こゝ)に一宿せざることの憾(を)しさよ山吹躑躅(つゝぢ)今を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
其涙(そのなみだ)を敏(さとし)に拭(ぬぐ)はれて猶(なほ)かなしく、手(て)にすがりて何時(いつ)までも泣(な)きしが、三歳子(みつご)の魂(たましひ)いつはりには有(あ)らで、此(この)こと心根(しんこん)にしみて悲(かな)しければこそ、其夜(そのよ)閑燈(かんとう)のもとに令孃(ひめ)を拜(を)がみて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さて屍を干し乾して凡そ三十日ほど擱(を)き、その間に親族集りて木を伐り棺を制するなり。(中略)奥地タライカヲリカ辺にては屍骸を三年の間乾し曝し置くなり。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
御返書いまだ達し不レ申、然に彼寺田屋のよくめの金於(を)私でふつごふに候間、元と金百両が出来ねば先日さし出候書の如く、去年よりの利金十八両だけなりとも、此使へ御渡し奉レ願候。
山陽は此年壬辰六月十二日に始て喀血し、翌十三日より著述を整理することに著手し、関五郎をして専(もつぱら)これに任ぜしめ、九月二十三日申刻に至つて功を竣(を)へた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
箇(を)を盛(も)りて、かの桃(もゝ)
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ふくろは老(を)いぼれ
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
是等(これら)石鏃(せきぞく)は鳥獸獵の際(さい)射損(ゐそん)じて地に落(を)ちたるものなるべく、其存在の事實(じじつ)は、如何にコロボックルが鳥獸捕獲(ほくわく)の爲め高山に登りし事有るかを告ぐるものたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
〔譯〕晦(くわい)に處(を)る者は能く顯(けん)を見る。顯に據(よ)る者は晦を見ず。
初(はじ)めて瞭乎(りやうこ)たり、眼(め)を転(てん)じて北方を俯視(ふし)すれば、越後の大部岩代の一部脚下に集(あつま)り、陸地の尽(つ)くる所青煙(せいえん)一抹、遠(とほ)く日本海を眺(なが)む、唯(たた)憾(うらむ)むらくは佐渡の孤島(ことう)雲煙を被(を)ふて躰を現(あら)はさざりしを
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
大君(おほきみ)は天の譴怒(いかり)と躬(み)自(みづか)ら照らす御光(みかげ)を謙(を)しみたまへり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かねてぞ千葉(ちば)は放(はな)たれぬ。汨羅(べきら)の屈原(くつげん)ならざれば、恨(うら)みは何(なに)とかこつべき、大川(おほかは)の水(みづ)清(きよ)からぬ名(な)を負(を)ひて、永代(えいだい)よりの汽船(きせん)に乘込(のりこ)みの歸國(きこく)姿(すがた)、まさしう見(み)たりと言(い)ふ物(もの)ありし。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼等(かれら)は朝(あさ)起(を)きて先づ火焚き塲の火を熾(さかん)にし、食物調理(しよくもつてうり)を爲し、飮食(いんしよく)を終りたる後は、或は食物原料採集(げんれうさいしう)に出掛け、或は器具製造に從事(じうじ)し、日中の時(とき)を費(つひや)したる後
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
生(うま)れてはじめての鯛(たひ)の子(こ)の旅(たび)! 從者(じうしや)もつれず唯(ただ)、獨(ひと)りはじめの七日(か)十日(か)は何(なに)かと物珍(ものめづ)らしくおもしろかつたが、段々(だん/″\)と日(ひ)を追(を)つて澤山(たくさん)のくるしいことや悲(かな)しいことが、到(いた)るところに待伏(まちぶせ)し
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
けだし氏輝は女は遠ざけたが、「若衆遠(を)春留(する)波(は)構(かま)はぬ庚(かのえ)さる」小姓を愛し通したのだ。
そつと降(を)りやう いや、おどろいてしまつた