“髪”のいろいろな読み方と例文
旧字:髮
読み方割合
かみ55.9%
ぐし17.6%
がみ7.3%
け5.0%
あたま3.9%
はつ3.1%
げ1.7%
ぱつ1.1%
かんか0.6%
くし0.6%
おぐし0.6%
が0.6%
びん0.6%
わげ0.3%
かみのけ0.3%
かんかん0.3%
つむ0.3%
みくし0.3%
ヘヤ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ほんとうに髪(かみ)の毛(け)が長(なが)くおなりだこと。せめてもう二、三年(ねん)長生(ながい)きをして、あなたのすっかり大人(おとな)になったところを見(み)たかった。」
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
若い盛りの美しいお髪(ぐし)を切って仏の戒(かい)をお受けになる光景は悲しいものであった。残念に思召して六条院は非常にお泣きになった。
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そそけ髪(がみ)の頭をあげて、母は幾日か夢に描きつづけた一男の顔を、じっと眺めた。涙が一滴(ひとしずく)、やつれた頬を伝(つた)って、枕の布(きれ)を濡(ぬら)した。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
女盛りの脂の乗ったお才、色白で髪(け)の多い具合、媚(こび)を含んだ、無恥な目差し、紅い唇——など、いかにも罪の深さを思わせるに充分な女です。
それなり俯向いて黙りこんでいると、お初の髪(あたま)から履物まで素ばしこく眼を通していた琴子は、ふっと気が付いたように時計をみて
神楽坂 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
と、帳(とばり)の蔭から怒った声がして、それと共に十常侍十名の者が躍り出した。みな髪(はつ)を逆立て、眦(まなじり)をあげながら、張均へ迫った。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神経性の痙攣(けいれん)が下唇の端をぴくぴくと引っ攣(つ)らせ、くしゃくしゃになった縮(ちぢ)れ髪(げ)が、まるで鬣(たてがみ)のように額(ひたい)に垂れかかっている。
ところが、この楊志ですらも、呼延灼(こえんしゃく)の双鞭(そうべん)の秘術には敵の一髪(ぱつ)も斬ることはできなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
襷(たすき)をかけて赤い髪(かんか)結つて
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
「いかゞでございます、たゞいまのお髪(くし)の型よりは、ネオグリークの方がお顔と調和いたしますやうでございますが。」
毒蛾 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
濃い髪(おぐし)を前髪を大きめにとって、桃割れには四分ばかりの白のリボンを膝折り結びにかたく結んでかけてお出(いで)でした。
大塚楠緒子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
うき世の波にただよはされて泳ぐ術(すべ)知らぬメエルハイムがごとき男は、わが身忘れむとてしら髪(が)生やすこともなからむ。唯(ただ)痛ましきはおん身のやどりたまひし夜、わが糸の手とどめし童(わらべ)なり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
主人の総右衛門は五十七八の典型的な大旦那で、髪(びん)の霜ほど世を経た、なんとなく抜け目のないうちにも、人を外らさぬ愛嬌(あいきょう)と、自然に備わる品位のある中老人です。
支那の当時の風俗画を調べるやら博物館や図書館などへ行って参考をもとめたが寿陽公主にぴったりした髪(わげ)が見つからなかった。
健康と仕事 (新字新仮名) / 上村松園(著)
熟(じっ)と視(み)ると、水底(みなそこ)に澄ました蛙は、黒いほどに、一束ねにして被(かつ)いでいます。処々に、まだこんなに、蝌蚪(おたまじゃくし)がと思うのは、皆(みんな)、ほぐれた女の髪(かみのけ)で。……
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「オお六ちゃん、髪(かんかん)結ってやろうか髪、今松小父さんが髪を」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「……ネ……お父さま……あの小さな星がいくつもいくつもあるのがお母さまのお髪(つむ)よ……いつも結っていらっしゃる……ネ……それから二つピカピカ光っているのがお口よ……ネ……」
人の顔 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
庚午(かのえうま)、皇子大津を訳語田(をさだ)の舎(いへ)に賜死(みまか)らしむ。時に年廿四。妃皇女山辺(みめひめみこやまべ)、髪(みくし)を被(くだ)し徒跣(すあし)にして、奔赴(はしりゆ)きて殉(ともにし)ぬ。見る者(ひと)皆歔欷(なげ)く。皇子大津は天渟中原瀛真人(あまのぬなかはらおきのまひと)天皇(天武天皇)の第三子(みこ)なり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
成程、割れるようにノックしても、室内(なか)はしいんとしている。内部から鍵が掛っているのでマダムは、髪(ヘヤ)ピンを鍵穴へ差込み、鍵を向うへ落して置いて、自分の持っている親鍵でドアを開けた。
ロウモン街の自殺ホテル (新字新仮名) / 牧逸馬(著)