“鬣”の読み方と例文
読み方割合
たてがみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
補祭は用心しながら、濁流のたてがみがもう届きそうになっている危なっかしい橋を渡り、小さな梯子を攀じ上って乾小屋の中へはいった。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
荷馬橇の馬は、狹霧さぎりの樣な呼氣いきかぶつて氷の玉を聨ねたたてがみを、寒い光に波打たせながら、風に鳴る鞭を喰つて勢ひよく駈けて居た。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
下げていた頭をもち上げ、若い馬が何かをうるさがってたてがみをふるうように宏子が柔かい断髪をふるった途端、電話のベルが鳴り立った。
雑沓 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)