“頭髪”のいろいろな読み方と例文
旧字:頭髮
読み方割合
かみ38.1%
かみのけ25.1%
あたま19.8%
とうはつ7.7%
つむり2.4%
おぐし2.0%
ずはつ1.2%
かしら0.8%
たぶさ0.8%
かみげ0.4%
あたまのかみ0.4%
あたまのけ0.4%
おつむ0.4%
つむ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おじいさんは、眼鏡めがねをかけて、はさみをチョキチョキとらしながら、くしをもって、若者わかもの頭髪かみにくしれてみておどろきました。
てかてか頭の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
穴掘り男は頭髪かみのけまで赤土だらけにしながら、「どうも水が多くって、かい出してもかい出しても出て来るので、困ったちゃねえだ!」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
その様子を見るとまた身体からだでも良くないと思われて、真白い顔が少し面窶おもやつれがして、櫛巻くしまきにった頭髪あたまがほっそりとして見える。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
(あまり倉卒そうそつにとり出すので、頭髪とうはつをすく小さいくしが、まつわってとび出したこともある)ハンケチで鼻をしっかりとおさえる。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
けれども、短く刈りこんだ頭髪つむりはもう大分霜に覆われていて、うしろから眺める背のあたりにふっと老いの佗しさを見かけるときがある。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
それは現世げんせですることで、こちらの世界せかいでは、そなたもとおり、衣服きものがえにも、頭髪おぐし手入ていれにも、すこしも人手ひとでらぬではないか。
手足の指を我と折って、頭髪ずはつつかんで身悶みもだえしても、おんなは寝るのに蝋燭を消しません。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何時いつもながら若々として、神々しきばかりの光沢つやみなぎれど、流石さすが頭髪かしら去年こぞの春よりも又た一ときは白くなりまさりたり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
滅多に手荒なことをしたことのなかった父親をして、しまいにお島の頭髪たぶさつかんで、彼女をそこに捻伏ねじふせてぶちのめすような憤怒を激発せしめた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そのたった今んだばかりの毒液に潤うた唇は、血のようにぶるぶるとふるえつつ、次第次第に傾いて行く漆黒の頭髪かみげの蔭になって、見えなくなって行った。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すると、そこへ袖口に下士の星章一つ附けた老人としよりが入つて来た。鬚も頭髪あたまのかみも雪のやうに真白だつたが、丈夫なたちだと見えて、顔は鮭の切肉きりみのやうな色をしてゐた。
「そうだ! 上村君、それから?」と井山いやまという眼のしょぼしょぼした頭髪あたまのけの薄い、痩方やせがたの紳士が促した。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「お父さまも頭髪おつむが大分白くなりましたわ。」
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いいえ青バスでは二度ですが、その前に一度、私はあなたのお頭髪つむをお洗いしたことが御座いますのよ。……まだおわかりになりませんの……
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)