)” の例文
女王樣ぢよわうさま論據ろんきようでした、何事なにごとにせよ、まつた時間じかんえうせずしてうせられなかつたなら、所有あらゆる周圍しうゐたれでもを死刑しけいしよする。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
さく三十七ねん十二ぐわつ某夜ばうやことなりき、れいごと灌水くわんすゐへてじよくねむりきしもなく、何者なにものきたりて七福しちふくあたふとげたりとゆめむ。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
「いえ、御主人にも、番頭さんにも申しました。でも、お皆はこの家のことを一人で取仕切つて、誰の手にもへません」
やがて食事しよくじえて、わがへやかへつた宗助そうすけは、また父母ふぼ未生みしやう以前いぜん稀有けう問題もんだいまへゑて、つとながめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼は益〻ますます神仏にすがつて到頭四国の遍路をへた。その時には眼が余程く見えるやうになつた。
遍路 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
怒つた顔をしようと小言を云はうと、二人はてんで相手にしないのだから始末にへません。で私も仕方がなく薄笑ひを浮べながら二人のするが儘になつて歩くより他はありません。
心配な写真 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
始末にへ無え機嫌上戸での、唯でせえ口のまめなやつが、大方饒舌しやべる事ぢや無え。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勘次かんじ藁俵わらだはらへて、さうしてはししばつたちひさなわらたばまるひらいて、それをあしそこんでかゝと中心ちうしんあしとを筆規ぶんまはしのやうにしてぐる/\とまはりながらまるたはらぼつちをつくつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さびしさのまま書きへし文なりきすてかねてわれ出してしまへり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
思ひぎ長きはしがきへにけり夜ふけかすかに吠ゆるものあり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
つとめ先より一日の仕事をへて帰り来て
呼子と口笛 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
醜行すでに為しはり
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
「それつきりで、尾久の喜八も、——こいつはこちとらの手にへないから、錢形の親分にお願ひするやうにつて」
ナイターを見しと云ふ手紙ふみ読みへてちひさき夜空獄窓まどより仰ぐ
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
思ひぎ長きはしがきへにけり夜ふけかすかに吠ゆるものあり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
つとめ先より一日の仕事をへて帰り来て
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
私はそれが知り度いから、わざ/\八五郎親分を呼びにやり、八五郎親分では手にへさうもないので、錢形の親分を呼んでもらひましたよ。いやはや
生きてゐる清しき幸よ晴れし日に独りの肌着濯ぎへたり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
向日葵はいつしか花もへにけり輝かでよし眺めてあるに
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
読みへし、我が睫毛マツゲには
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「錢形の親分が來てくれさへすれば、亡靈も退散するだらう。こいつはどうも、あつしの手にへさうもない」
燕麦えんばくは今刈りへて真夏なり修道院にいたるいつぽんの道
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そいつはお前の手にはへまいよ。それより板倉屋の内輪のことを調べてみるが宜い。
かぐろくも円き花芯くわしんや向日葵の花みなへて西日暑かり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いや、あのではない、——あの火鉢は娘の手にへないほど重い、——それに自分が火鉢を落したものなら、火鉢の後から轉げるやうに、一番先に二階から降りてお夢を介抱する筈はない。
へし大輪向日葵日に干して種子は鼠が皆引きにけり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
八五郎は最初は躍起やくきとなつて、この捕捉し難い兇賊の影法師を追ひ廻しましたが、結局八五郎如きでは手にへないとわかつたのと、もう一つ、三輪の萬七が平次の留守を預かるといふ口實で
「親分、三人ぢや手にへねえ。錢をツ」