“昨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さく38.5%
きそ23.1%
きぞ12.8%
きのう10.3%
キゾ7.7%
きのふ5.1%
ゆふ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さく年の初夏しよか兩親れうしんの家から別居べつきよして、赤坂區さかく新町に家を持ち、馴染なじみのその球突塲たまつきばとほくなるとともにまたほとんどやめたやうなかたちになつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
此の隣なる家のあるじなりしが、一二九過活わたらひのためみやこに七とせまでありて、きその夜帰りまゐりしに、既に荒廃あれすさみて人も住ひ侍らず。
けれども、かたくなな当麻氏の語部の古姥の為に、我々は今一度、去年以来の物語りをしておいても、よいであろう。まことに其は、きぞの日からはじまるのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
我はこの山脈に分け入って、きのうは月の清光を浴び、きょうは雲漫々たる無限を踏む、我といえる一個体、一霊魂
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
けれども、カタクナ當麻氏タギマウヂの語部の古姥フルウバの爲に 我々は今一度、去年以來の物語りをしておいても、よいであらう。まことに其は、キゾの日からはじまるのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
今尚ほきのふの如く覺ゆるに、わきを勤めし重景さへ同じ落人おちうどとなりて、都ならぬ高野の夜嵐に、昔の哀れを物語らんとは、怪しきまでしき縁なれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「なる程ゆふべは月のない晴夜だつたからね。」
円卓子での話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)