きそ)” の例文
此の隣なる家のあるじなりしが、一二九過活わたらひのためみやこに七とせまでありて、きその夜帰りまゐりしに、既に荒廃あれすさみて人も住ひ侍らず。
この原や草深百合くさぶかゆりの草ぶかに匂ひこもらひきそはありにし (沢柳先生を憶ひて)
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
傴僂くぐせに似たる「きそ」の日は過ぎゆく「時」の杖にすが
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
きその朝七日七夜を
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
とめと しのばるる 尼のみ寺の みほとけや 幾世へにけむ 玉の手の 光りふふみて かそけくも 微笑ゑませたまへる にふれつ 朝な夕なに おもはすは きその嘆きか うつし世の 常なきうれひか 頬にふるる 指のあはひに 春ならば くれなゐの薔薇ばら 秋日には
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
果敢なしといふもはかなし声立ててうたへ泣きてしきそにしも似ね
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あをじろみたるきそのかげ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
よその女のぢつと見しきその眼つきか、金茶の眼
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
あなあはれ、きその日もあかがねのなやみかかりき。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くもはただきそのごとくれなゐの色にただるる。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひとすぢのきそのほめきに
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
国を去り、きそにわかれて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)