“昨夜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうべ80.1%
ゆふべ6.3%
さくや6.0%
よべ2.6%
ゆんべ2.4%
よんべ1.0%
ゆべな0.4%
きのう0.2%
ようべ0.1%
きそ0.1%
きのふ0.1%
こぞ0.1%
やぜん0.1%
ゆべ0.1%
コソ0.1%
ヨンベ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おれは昨夜ゆうべあの混血児あひのこの女がはうりこんだ、薔薇ばら百合ゆりの花を踏みながら、わざわざ玄関まで下りて行つて、電鈴の具合ぐあひを調べて見た。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
昨夜ゆふべは夜もすがら静にねぶりて、今朝は誰れより一はな懸けに目を覚し、顔を洗ひ髪をでつけて着物もみづから気に入りしを取出とりいだ
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
法師はれいのとおり、寝間ねまの前の、えんがわにいると、昨夜さくやのとおり、おもい足音が裏門うらもんからはいって来て、法師をつれていきました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
さらには、次の都へのお旅路とて、ふたたび、昨夜よべのごときご不安はおかけ仕りませぬ。いかようとも、われらお送り申しあげますれば
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾輩が昨夜ゆんべ焼いてしまった心理遺伝論のおしまいに、附録にして載せようと思っていた腹案の骨組みだけをつまんで話すと、こうだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただ翌朝『先生は昨夜よんべは酒のんだ。けんど、日記さ付けんな』といつて甚だ上機嫌だつたのでおぼえてゐる。(昭和十三・六・二十二)
最上川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
があ昨夜ゆべな、土ぁ、みだぢゃぃ。」嘉ッコはしめった黒い地面を、ばたばた踏みながらひました。
十月の末 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
仙「何ういたしまして、昨夜きのうとっさんと話をしたんですが、無闇にお侍の死骸を引取って、伯父の積りで葬式とむれえを出しましたから、若旦那がおこりゃアしねえかッて心配して居るんです」
一同張り合い抜けのていでしてな。昨夜ようべだって誰ひとり寝やしません。いったい団体客にろくな……いや、へへえ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
昨夜きそこそはろとさ宿しかくもうへたづ間遠まどほおもほゆ 〔巻十四・三五二二〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
昨夜きのふは雅子さんの夢を見た。雅子さんに手紙を書かうかなどゝ朝のとこの中では考へた。川上さんの女の書生さんが見え、吉小神きこがみさんが来た。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
昨夜こぞこそは やすく肌觸れ。 (歌謠番號七九)
モン長 なう、なさけなや、我君わがきみ! 我子わがこ追放つゐはう歎悲なげきあまりにおとろへて、つま昨夜やぜん相果あひはてました。なほ此上このうへにも老人らうじんをさいなむは如何いかなる不幸ふかうぢゃ。
そういえば昨夜ゆべうちの師匠、親に似ぬ子は鬼っ子だって世にも腹立たしそうにいったっけ。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「こそ」の係結の完成する前の形で、「わが哭くつま。昨夜コソこそは、易く膚触れ 妻」