“抛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほう51.7%
なげう19.6%
9.9%
はふ9.3%
3.3%
なげ1.8%
はう0.6%
ほお0.6%
0.3%
うっちゃ0.3%
ちゃ0.3%
なげうっ0.3%
ほっ0.3%
ほふ0.3%
0.1%
たた0.1%
たゝ0.1%
なぐ0.1%
なげうた0.1%
なげうち0.1%
なげす0.1%
0.1%
ほうり0.1%
ほを0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
治兵衛は草鞋を作っていたが、登を見ると、それをほうりだすようにして立ちあがったなり、養生所へ迎いをやったところだと云った。
また或時あるとき、市中より何か買物かいものをなしてかえけ、鉛筆えんぴつを借り少時しばらく計算けいさんせらるると思ううち、アヽ面倒めんどうだ面倒だとて鉛筆をなげうち去らる。
母の取りて与うるものをばことごとくげうちしが、机の上なりし襁褓むつきを与えたるとき、探りみて顔に押しあて、涙を流して泣きぬ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
書く人間がゐちやはふつては置けません。一度はイヤな思ひをなさるつもりで、この書き手を搜し出し、後腐あとくされのないやうになさいませ
書く人間がいちゃってはおけません。一度はイヤな思いをなさるつもりで、この書き手を捜し出し、後腐れのないようになさいませ
如何にも其様そんな悪びれた小汚い物を暫時にせよていたのがかんに触るので、其物に感謝の代りに怒喝を加えてなげてて気をくしたのであろう。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おれは昨夜ゆうべあの混血児あひのこの女がはうりこんだ、薔薇ばら百合ゆりの花を踏みながら、わざわざ玄関まで下りて行つて、電鈴の具合ぐあひを調べて見た。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
堀の底にも泥まみれになった人が五六人居り、小桶で泥水を足場の方にかきよせていたが、おりおり鰻や鯰を揃えては岸にほおりあげていた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
かの女はすっかりむす子のために、むす子のお友達になって遊ばせる気持を取戻し、ただ単純に投げったりしているジュジュの手毬てまりを取って、日本の毬のつき方をして見せた。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
どんな大きな犬とみ合いをやっても、まだ一回たりとも、を挙げたためしがない。負けても、相手に食いついたっ切り離れないのだから、うっちゃっとけば、命のほどが危ない。
雷嫌いの話 (新字新仮名) / 橘外男(著)
すこし離れて、小婢こおんな迎児げいじも縄目のまま、灌木かんぼくの中にちゃらかしてある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうなっては如何いかなヘンリー四世といえども狼狽せざるを得ず、皇帝の尊厳をなげうって法王に破門免除を懇願するより他には手はなかった。
ローマ法王と外交 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「支倉さんは詐欺でもやったらしいんだね。それで捕まると之が取返されるだろう。ほっといて差押えでも食うと困るから、急いで名義を書変えるんだろうさ」
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
もしうそだと思ふならば、アフリカの森林にほふり出された君や僕を想像して見給へ。勇敢なる君はホツテントツトの尊長しうちやうの王座に登るかも知れない。
解嘲 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
自分たちの仕事もおっり出して最前列の席を占めている州立蛇毒研究所の若い所員たち、自分では何とも判定は下し得なかったが
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「南無三、好事こうず魔多し」と髯ある人がかろく膝頭を打つ。「刹那せつなに千金を惜しまず」と髯なき人が葉巻のがらを庭先へたたきつける。隣りの合奏はいつしかやんで、を伝う雨点うてんの音のみが高く響く。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その牛肉屋の牛が馬肉かも知れないといふ嫌疑がある。学生は皿に盛つた肉を手攫てづかみにして、座敷のかべたゝき付ける。落ちれば牛肉で、貼付ひつつけば馬肉だといふ。丸でまじなひ見た様な事をしてゐた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何日いつぞやは障子を開けておいたのが惡いとかいつて、突然手近にあつた子供の算盤そろばんで細君の横面よこつらを思ひきりなぐつた。細君の顏はみる/\腫れ上つた、眼にも血がにじんで來た。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
梓その時はその美しい眉も逆釣さかづッていたであろう。まさに洋燈を取って車の台になげうたむとする、めじりさがったのはまむしよりきらいな江戸ッ肌。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むしろ書をなげうち一臂いっぴを政治上に振うにかずとて、壮年後進の学生は争うて政治社会に入らざるはなし。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
或拗枝妄抛 或はえだりてみだりになげす
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
おぼえが悪いといっては、琵琶のばちで打たれ、節語ふしがたりに、東国なまりが抜けぬといっては、お手の中啓ちゅうけい(半開きの扇)を、このめしいの顔へつけられたり……
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小金吾金をほうり出すを見「持つていかなくて、おれが金だ」と云ひかけ「あゝ痛え/\、ひどい事をしやあがる」と尻をまくり撫づ。
台処だいどこほをり込んで置たら子細はあるまい、さあ履き替へてそれをお出しと世話をやき、鼻緒の切れしを片手に提げて、それなら信さん行ておいで後刻のちに学校で逢はうぜの約束
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
予ガ携帯ケイタイシ来リタルスーパーヘテロダインハ没収ボッシュウセラレタリ。予ガ隣室ニ監禁セラレタル予ノ案内人ノ室ノ更ニ隣室ニシテ、同様物置ナル所ヘ一時ゲ入レラレタルヲ知リタリ。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)