“撥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
41.9%
ばち40.1%
はじ4.4%
はぐ2.6%
はね2.6%
はら2.2%
ばつ1.5%
1.1%
ほじ0.4%
あば0.4%
すてさ0.4%
のぞ0.4%
はず0.4%
はつた0.4%
0.4%
ぱつ0.4%
0.4%
ハラ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たかが熊本君ごときに、酒を飲む人の話は、信用できませんからね、と憫笑を以て言われても、私には、すぐにね返す言葉が無い。
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
と、ばちをあわせながら、与吉、気が気でない。その左膳のうしろに、あのチョビ安の小僧が、お小姓然と、ちゃんと控えているんで。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
或ははじき合うのかと、その両方から味ってそこにある関係への判断をも自分の心の世界の中のものとしてゆく、それを云うのだと思う。
安達君は電気ストーブの側に陣取って、先週見た雑誌の頁をはぐり始めた。間もなく戸が開いたから振り返ったら、たすく君がニコ/\笑いながら入って来た。
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
不慣な彼も、「七」の数を「なな」と発音し、「四」の数を「よん」とはねるぐらいのことはとっくに心得ていた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこでかようにして亂暴な神たちを平定し、服從しない人どもを追いはらつて、畝傍うねび橿原かしはらの宮において天下をお治めになりました。
愚図ぐず愚図してるんだ! おれがこうして、さり気なく話のばつを合わして足停あしどめしておくあいだに、すっかりこの家の廻りにも手配てはい
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
が、これもやはり、本館で聞いても参事官官舎で聞いても何の要領も得ず太子はお帰りになったの一点張りで突っねられてしまった。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
お杉の声をあとに聞きながら、重太郎も𤢖も霧の中をいて出た。お杉は笑いながら再び焚火をほじり初めた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
廊下や部屋の樣子は、油屋で呑み込めてゐたから、ズン/\入つたり𢌞つたりして、鏡臺や手匣てばこの類をあばき探した。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
百冗以遊 百冗ひゃくじょうすてさりてもって遊ぶ
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
若しそれらを彼が本当にその詩を書いたのち綺麗きれいさっぱりとのぞき去ってしまったなら、その詩人はひょっとしたらその詩をきっかけに、だんだん詩なんぞは書かなくなるのではないか
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
鍛練した目的はちがっていたが、こういう困苦に向って、彼の引きしまった肢体したいはいよいよはずんでいるようであった。けついだ血と、思い定めた一旦いったんの意志が烱光けいこうを放つのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
つゑに越前守殿の前に駈來かけきたり立乍ら大音だいおんあげ天一坊は贋者にせものにて山伏やまぶし感應院の弟子でし寶澤と云者いふものなり若君には寶永はうえい二酉年三月十五日御早世ごさうせいに相違なし委細ゐさいは是に候とて書留かきとめひかへ差出し兩人ははつた平伏へいふくなし私共天一坊贋者にせものの儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
鈴のような眼を真っ赤に泣き腫らして、屍骸ほとけの傍に坐わっていた。ちだこの見える細い指で、死人の顔を覆った白布を直しながら応えた。
しんぱつ、また、眼もとまらぬ一げきとつ、すべて見事な肉体のから演舞だった。史進は、声をらして、そののどから臓腑ぞうふを吐かんとするほどに身も疲れてしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小翠は戸を閉めて、また元豊を扮装ふんそうさして項羽こううにしたて、呼韓耶単于こかんやぜんうをこしらえ、自分はきれいな着物を着て美人に扮装して帳下の舞を舞った。またある時は王昭君おうしょうくんに扮装して琵琶をいた。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
是に其ミメ須勢理毘売命、蛇の比礼ヒレを其夫に授けて、申し給わく、其蛇わんとせば、此比礼を三度振りて、打ハラい給えと詔給う。故教のごとし給いしかば、蛇自ら静りし故に、やすく寝給いき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)