“はね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハネ
語句割合
29.7%
21.3%
12.7%
羽根7.2%
5.8%
羽子5.2%
羽毛3.8%
閉場3.6%
2.6%
1.4%
羽翼1.0%
泥沫0.4%
0.4%
0.4%
終演0.4%
飛泥0.4%
汚泥0.2%
羽尾0.2%
0.2%
打出0.2%
撥泥0.2%
汚点0.2%
0.2%
泥跳0.2%
活溌0.2%
羽弁0.2%
羽根毛0.2%
羽瓣0.2%
羽翅0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
跳泥0.2%
閉館0.2%
飛沫0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのうちに、バタバタ、バタバタ、はねの音をたてながら、空の下の鳥が一羽のこらずあつまってきて、はいのまわりにおりたちました。
この物勢い込んで飛ぶ時、はねが張り切りおり、なかなか博物館で見る死骸を引き伸ばした標品とは、大いに大きさが違うようだった。
そのくるま手長蜘蛛てながぐもすね天蓋てんがい蝗蟲いなごはねむながい姫蜘蛛ひめぐもいと頸輪くびわみづのやうなつき光線ひかりむち蟋蟀こほろぎほねその革紐かはひもまめ薄膜うすかは
張箍はりわ女袴をんなばかま穿いた官女くわんぢよよ、とちよ、三葉形みつばがたぬひを置いて、鳥の羽根はねの飾をした上衣うはぎひきずる官女くわんぢよよ、大柄おほがら權高けんだかで、無益むやく美形びけい
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
芥子けしの実ほどの眇少かわいらしい智慧ちえを両足に打込んで、飛だりはねたりを夢にまで見る「ミス」某も出た。お乳母も出たお爨婢さんどんも出た。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
或る日の事、美代子さんはおうちの前でたった一人で羽子はねをついていますと、一人の支那人が反物を担いで遣って来て、美代子さんのおうちの門口で
クチマネ (新字新仮名) / 夢野久作海若藍平(著)
今迄薄暗かった空はほのぼのとしらみかかって、やわらか羽毛はねを散らしたような雲が一杯に棚引き、灰色の暗霧もやは空へ空へと晴て行く。
するのも可哀そうだから、もうちっと待っていると日が暮れるだろう。小屋の閉場はねるのを待っていて、すぐに河童をあげるようにしろ
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこで欄干にもたれかかって煙草たばこを——つい橋袂はしだもとに酒場もあるのに、この殊勝な心掛をはね散らして、自動車が続けさまに、駆通る。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じやからかさ脊筋せすぢさがりにひつかつぎたるほどこそよけれ、たかひくのみちの、ともすれば、ぬかるみのはねひやりとして、らぬだにこゝろ覺束おぼつかなきを、やがて追分おひわけかたいでんとして
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そう注意ちゅういされているうちに、もうわたくしには蝶々ちょうちょうのような羽翼はねをつけた、おおきさはやっと二三ずんから三四寸位すんくらいの、可愛かわいらしい小人こびとむれがちらちらうつってたのでした。
やい、寅。てめえのような半端はんぱ人足を相手にして、泥沫はねをあげるのもいやだと思って、お慈悲をかけてやりゃあ際限がねえ。おれは立派に御用の十手を持っているが、てめえを
半七捕物帳:09 春の雪解 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こゝは英雄えいゆう心事しんじはかるべからずであるが、ぶちまけられるはうでは、なん斟酌しんしやくもあるのでないから、さかしま湯瀧ゆだき三千丈さんぜんぢやうで、流場ながしば一面いちめん土砂降どしやぶりいたから、ばちや/\とはねぶ。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僕等は其夜、鈴木主水もんどの講談を聞きましたが席がはねるや外に出ると、二三人の人が黒田下の交番の方を目がけて小走りに走るので、何事が初まつたかと、僕等も其後について走りました。
夜の赤坂 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
茶屋へ入って桟敷さじきへ通ったのが正午ひる過ぎの八ツで、茶屋を出たのが終演はねる少し前の五ツ半。如何にも眼立つ服装なりをしているのだし、多分に祝儀をはずんだので、茶屋でははッきりと覚えていた。
ぷつり、帰雁の鯉口こいぐちをひろげて、ぴしゃぴしゃ——守人は飛泥はねを上げて追いすがる。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あたまのてっぺんまで、汚泥はねがるのもおかまいなく、よこびにした市松いちまつには、あめなんぞ、芝居しばい使つかかみゆきほどにもかんじられなかったのであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
番頭ばんとう幸兵衛こうべえは、かべ荒塗あらぬりのように汚泥はねがっているまつろうすねを、しぶかおをしてじっと見守みまもった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
印度インドなる葉廣はびろ菩提樹の蔭にしてひろげ誇らむこの孔雀とり羽尾はね
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
六宮リクキウ粉黛ふんたいも色を失はむ孔雀一たび羽尾はねひろげなば
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
老爺は少しよろめいたが、ウムと踏張ツたので、學生は更にはねツ返されて、今度は横つ飛に、片足で、トン、トンとけし飛ぶ……そして壁に打突ぶツつかツて横さまに倒れた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
大層たいそう感心かんしんしましてじつ恐入おそれいつたものだ、中々なか/\アヽところ商売人しやうばいにんだつて容易よういくもんぢやアないとひました、何卒どうぞ打出はねましたらと三がいらつしやいまして
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まくった空臑からすねに痛いと感ずるほど、両脚が、太く冷たかった。男は半町ばかり先を行く。三次、撥泥はねを上げて急いだ。
真白いたびに、ぬかるみの汚点はねが二三カ所ついた。女は別に気にしなかった。
(新字新仮名) / 久坂葉子(著)
「向うはまだ来ておらんな」と、シェシコーフスキイがはねを落しながら言った、「さればさ。幕があかぬうちに、一ついい場所を見つけに行くとしますかな。ここじゃ身動きもできはせん。」
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
伝二郎は泥跳はねを上げてすがりついた。
やみつねなるひとおやごヽろ、ゆゑみちまよはぬはきものをとさとし此處こヽむれば、香山家かやまけ三人みたり女子むすめうちかみむづかしくすゑ活溌はねにて、容貌きりやう大底たいていなれどもなんとしてきみおよものなく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのそばにきれいな風車かざぐるまいつけた。車がしきりに回る。車の羽弁はね五色ごしきに塗ってある。それが一色いっしきになって回る。白い棺はきれいな風車を絶え間なく動かして、三四郎の横を通り越した。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
次のつき井菊屋の奥、香都良川添かつらがわぞいの十畳に、もう床は並べて、膝まで沈むばかりの羽根毛はね蒲団ぶとんに、ふっくりと、たんぜんでくつろいだ。……
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小供の葬式がた。羽織をた男がたつた二人ふたりいてゐる。さい棺は真白なぬのいてある。其そばに奇麗な風車かざぐるまひ付けた。くるまがしきりにまはる。くるま羽瓣はねが五しきつてある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
えさを拾う雄鶏おんどりの役目と、羽翅はねをひろげてひなを隠す母鶏ははどりの役目とを兼ねなければならなかったような私であったから。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
○鎌切の恋のかたみか雄のはね
おきな布団ふとんはねのけ、つとちあがりて、紀州よ我子よと呼びし時、くらみてそのまま布団の上に倒れつ、千尋ちひろの底に落入りて波わが頭上に砕けしように覚えぬ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
暮方より同じ漁師仲間の誰彼だれかれ寄り集いて、端午の祝酒に酔うて唄う者、踊る者、はねる者、根太も踏抜かんばかりなる騒ぎに紛れて、そつみぎわに抜出でたる若き男女あり。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
雨の中を板裏の草履で歩いて来たので、背中まで跳泥はねが一杯上っていた。
変な男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
閉館はね時の群集の為に、ややともすれば二人の姿を見失い勝ちでありましたが、却って其の足繁き人波が屈強の隠れ蓑と成りまして、肩を並べ伏眼加減に人眼を憚りつつ足早やに歩み去る二人の跡を
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
そういいながら、着物をだいじにするひとがちいさな汚点しみでも気にするように、馬の横っ腹にくっついた泥の飛沫はねを、掌でていねいにぬぐってやる。
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)