“光線”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうせん33.9%
ひかり25.8%
くわうせん22.6%
ひすぢ4.8%
あかり4.8%
1.6%
ひかげ1.6%
ひざし1.6%
レイ1.6%
レントゲン1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
光線こうせんをそそぐがごとくピラピラピラピラ! と吹きつけてきて竹童の目、竹童の耳、竹童の毛穴けあな、ところきらわずつきさッた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夕日は障子の破れ目から、英文典の上に細い黄ろい光線ひかりを投げてゐる。下女はランプに油をいで、部屋々々へ持ち廻つてゐる。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
時候じこうと、ときと、光線くわうせんの、微妙びめう配合はいがふによつて、しかも、品行ひんかう方正はうせいなるものにのみあらはるゝ幻影まぼろしだと、宿やど風呂番ふろばんの(しんさん)がつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かよわなる薄陽うすび光線ひすぢ射干ひあふぎの細葉は透けど早やなむとす
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その時、何處からともなく射した光線あかり、曲者の潜入した唐紙の間から、泥棒龕燈がんどうあかりが、まともに曲者の顏を照して居るではありませんか。
惜しい事に真向まむきすわった小野さんには分からない。詩人は感覚美を好む。これほどの肉の上げ具合、これほどの肉の退き具合、これほどの光線に、これほどの色の付き具合は滅多めったに見られない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
薄く曇った初秋の空から落る柔かな光線ひかげは快く延切のびきった稲の葉の青さをば照輝く夏の日よりもかえって一段濃くさせたように思われた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
振返って、来た方を見れば、町の入口を、真暗まっくら隧道トンネル樹立こだちが塞いで、炎のように光線ひざしが透く。その上から、日のかげった大巌山が、そこは人の落ちた谷底ぞ、とそびえ立って峰からどっと吹き下した。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
受けて、レェントゲン光線レイで折れたところが分った、こうしていれば別に痛くはない、ドクター、この病院はなかなか居心地がいいよ、酒も飲ましてれるし、煙草も許しを得ておいたから
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
「……馬鹿な……そんな小さな骨がX光線レントゲンに感じた例はまだ聞きません。こちらへお出でなさい。とにかくてあげますから」
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)