“注”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
60.8%
そそ17.3%
9.5%
そゝ4.9%
1.1%
ちゅう1.1%
0.6%
つい0.6%
ちう0.5%
つぎ0.5%
ちゆう0.3%
すす0.3%
つけ0.3%
あつま0.2%
0.2%
あつ0.2%
0.2%
かゝ0.2%
しる0.2%
すゝ0.2%
すゝぎ0.2%
そそが0.2%
そゝぎ0.2%
つが0.2%
つく0.2%
とど0.2%
シル0.2%
スヽ0.2%
チユウ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして淡巴菰の火が消えているのに気がいたようにして、足許の燃えさしに吸いつけてむ。村の男はそのさまをじろじろと見る。
たまたま燻製屋台へ買いに来た金博士の若いお手伝いの鉛華えんかをルス嬢が勘のいいところで発見、そこへベラントが特技をそそぎ込んで
別に例の通りバターでメリケン粉をいためて牛乳五しゃくと今の湯煮汁五勺とをして塩胡椒で味をつけてドロドロした掛汁かけじるこしらえます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
夫婦ふうふはこれに刎起はねおきたが、左右さいうから民子たみこかこつて、三人さんにんむつそゝぐと、小暗をぐらかたうづくまつたのは、なにものかこれたゞかりなのである。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ざぶり水をけながら、見るともなしに、小窓の格子から田圃たんぼを見ると、月はの棟に上ったろう、影は見えぬが青田の白さ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
店の奥から我慢のならぬちゅうを入れたのは、年上らしい女房のお秋でした。これは頑強で、真っ黒で、牝牛めうしのような感じの女です。
孫はそれを見てもし自分が鸚鵡になることができたなら、飛んで女の室へ往けるのだと思った。そして心をそれにめていた。
阿宝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その汁でメリケン粉一杯をいためて赤葡萄酒あかぶどうしゅ加減かげんついでその中へ今のいためた鰻を入て塩胡椒で味をつけて一時間位にるのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
あひなるべくは多治見たぢみへのして、陶器製造たうきせいざう模樣もやうまでで、滯在たいざいすくなくとも一週間いつしうかん旅費りよひとして、一人前いちにんまへ二十五兩にじふごりやうちうにおよばず、きりもちたつた一切ひときれづゝ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それで帰らうと云ふんだな、帰り給へ。」とつぎ置きのビールを一息に呷つて、「君は帰る家があるから好い。僕は無い。」と唇に流れるしづくを平手でペツと拭いた。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
しよりえてよみしに、○塔不剌たふふらとありてちゆうに○ねぎさんしよ○油○ひしほいりつけあとよりあひる或は雞○をいれ、慢火ぬるひにて養熟しあげるとあり。
落したのか、紙入というものを持合さず、水をすすごうとして干杓ひしゃくを取ると
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御小刀おこがたなの跡におう梅桜、花弁はなびら一片ひとひらかかせじと大事にして、昼は御恩賜おんめぐみかしらしかざせば我為わがための玉の冠、かりそめの立居たちいにもつけおちるをいと
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
殿下は知事の御案内で御仮屋へ召させられ、大佐の物申上ものもうしあぐる度に微笑ほほえみもらさせられるのでした。群集の視線はいずれも殿下にあつまる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
主婦さんは例の冷し藥の土鍋に藥をけるらしく
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
常に人世アースの境域にのみ心をあつめ、社界を改良すと曰ひ、国家の福利を増すと曰ひ、民衆の意向を率ゆと曰ひ、きはめ尨雑ばうざつなる目的と希望の中に働らきつゝあり。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
平岡は巻莨まきたばこに火をけた。其時婆さんが漸く急須きうすに茶をれて持つて出た。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ころし血がはしりてかゝらはすそ而已のみならず或はえり又はそでなどへもかゝるべきに何ぞすそばかりに引べきや此儀このぎ合點がてんゆかずシテ其猿島川さるしまかはより寶田村迄道程みちのり何程有やと聞るゝに伊藤卅町程の道程みちのりなりとこたふれば大岡殿かく道程みちのりの有所にて人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ここを以ちて今或るは一句の中に、音と訓とを交へ用ゐ、或るは一事の内に、全く訓を以ちてしるしぬ。すなはち辭理の見えがたきは、注を以ちて明にし、意況の解き易きは更にしるさず
盡し神佛かみほとけへも祈りしかど其しるしかつてなく後には半身はんしん叶はず腰も立ねば三度のしよくさへ人手をかりるほどなれどもお菊は少しも怠らず晝は終日ひねもす賃仕事ちんしごと或ひはすゝ洗濯せんたく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見返みかへらぬとは鳥獸におとりしやつ親でもなし子でもなし見下果たる人非人にんぴにん切齒はがみをなせども又外にべき樣も有ざれば家財雜具かざいざふぐを人手に渡し其身は嫁と諸共もろともに淺草諏訪町にて裏店を借請かりうけすゝぎ洗濯せんたく賃仕事ちんしごと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はずみに乗せられて貫一は思はずうくるとひとし盈々なみなみそそがれて、下にも置れず一口附くるを見たる満枝が歓喜よろこび
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
纒ひて其さまいやしげなれども昔し由緒よしある者なるかたち擧動ふるまひ艷麗しとやかにて縁側へ出擂盆すりばちの手水鉢より水をすくひ手にそゝぎしは縁のはし男は手をば洗ひながら見れば娘はたぐまれなる美女にて有れば是までは女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二抱ふたかかへもある赤松の、幹両股ふたまたになりたる処に、一匹の黒猿昇りゐて、左手ゆんでに黒木の弓を持ち、右手めてに青竹の矢を採りて、なほ二の矢をつがへんとせしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
胸痛きまでの悲しさ我事わがことのように鼻詰らせながら亭主に礼いておのが部屋へやもどれば、たちまち気がつくは床の間に二タ箱買ったる花漬はなづけきぬ脱ぎかえてころりと横になり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
トいいさして文三は顔に手をてて黙ッてしまう。こころとどめてく見れば、壁に写ッた影法師が、慄然ぶるぶるとばかり震えている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
軍奉行、長崎四郎左衛門ノジヨウ、実検シケルニ、執筆十二人ニテ、昼夜三日ノ間モ、筆ヲカズ、死者ノ名ヲシルセリトゾ
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さてわれらこの日より星をスヽぎて乳汁色チヽイロ
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
折ふし——降参ノ輩、チユウスルニイトマアラズ——の状だったが、親光といえば、東北の大族結城宗広の子である。またとない者だ。尊氏はすぐ大友にれてまいるようにと、いいつけた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)