“そゝ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
24.4%
14.5%
12.2%
8.4%
7.6%
6.9%
楚々3.1%
3.1%
2.3%
2.3%
1.5%
1.5%
疎々1.5%
誘導0.8%
0.8%
衝動0.8%
0.8%
教唆0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
粗々0.8%
0.8%
0.8%
踈匆0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勘次かんじはおつたの姿すがたをちらりと垣根かきね入口いりぐちとき不快ふくわいしがめてらぬ容子ようすよそほひながら只管ひたすら蕎麥そばからちからそゝいだのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
このなかを、れてんだあを銀杏いてふ一枝ひとえだが、ざぶり/\とあめそゝいで、波状はじやうちうかたちは、流言りうげんおにつきものがしたやうに
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そゝぐ涙に哀れをめても、飽くまで世を背に見たる我子の決心、左衞門いまは夢とも上氣とも思はれず、いとしと思ふほど彌増いやまにくさ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
心をいらだゝせるものや、そゝるものゝ、めまぐるしい曠野であつて、眞の生命の知識を探さうと危險ををかして
それを今書いて君にる。それから京都東本願寺家ひがしほんぐわんじけ粟津陸奥之助あはづむつのすけと云ふものに、己の心血をそゝいだ詩文稿しぶんかうが借してある。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
其方共儀むこ夫等をつとら災難さいなんを歎き艱難辛苦かんなんしんくの上公儀巡見使じゆんけんしうつたへ出申立明了あきらかなるにより善惡判然と相あらはれ九助の寃罪ゑんざいそゝぎし信義しんぎ貞操ていさうの段厚くほめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
羚羊かもしかのやうなすんなりした脚で、何時いつもネビイブルウのソックスに、白い靴をはいてゐた。腰の線がかつちりしてゐて、後から見る姿は楚々そゝとした美しさだつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
山林に身を苦しめ雲水に魂をあくがれさせては、墨染の麻の袂に春霞よし野の山の花の香を留め、雲湧き出づる那智の高嶺の滝の飛沫しぶき網代小笠あじろをがさ塵垢ぢんくそゝぎ、住吉の松が根洗ふ浪の音
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
威勢ゐせいよく反身そりみになつてゐる花もある、しよんぼりと絶え入つてゐる花もある、その花屋の前を通りすがると、妙に氣をそゝる意地の惡い香がした、胸苦しいほど不思議の香がした。
わるい花 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
春庵は五十三駅を過ぐる間、特に若党一人をして慈姑を保護せしめ、昼は水をそゝぎ、夜はこゞえを防いで、生ながら致すことを得たのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
長崎屋の娘お喜多の浮氣心をそゝつて、圍ひの鍵を盜み出させようとしましたが、妹と觸れ込んだお京は、その實半之丞の女房と覺られて、嬌慢けうまんなお喜多の妬心としんあふり、少し賢こくない利吉を煽動せんどうして
殿様のおさかずきわしが飲んで其の猪口ちょくそゝぐのは水臭いって殿様がすぐに召上ると云うのは酒の徳だ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
密々たる灌木くわんぼく疎々そゝたる喬木けうぼくの混合林となりて、前者を代表するにはぎあり、後者には栗多く、それも大方は短木、この辺より不二は奈良の東大寺山門より大仏を仰ぐより近くそびえ、なかばより以上
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
迅速じんそくかつ壯快さうくわい變化へんくわ目前もくぜんせる彼等かれら惡戲好いたづらずきこゝろをどれほど誘導そゝつたかれない。かれ落葉おちばつかんではかまどくちとうじてぼうぼうとえあがるほのほかざした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
踊子をどりこさそ太鼓たいこおと自分じぶん村落むらのはすぐ垣根かきねそとやうに、とほ村落むらのは繁茂はんもしてはやし彼方あなたそらひゞいてきこえる。それが井戸端ゐどばたつてるおつぎのこゝろ誘導そゝつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
われは我鍾愛しようあいの物、我がしば/\接吻せし物、我が心血をそゝぎし物、我が性命ある活思想とも稱すべき物をもて、熾火しくわの裡になげうちたり。我詩卷は炎々として燃え上れり。
後なる車ける馬のあわは我耳にそゝげり。
彼等かれら玉蜀黍たうもろこしがざわ/\とめうこゝろさわがせて、花粉くわふんにほひがさらこゝろあるもの衝動そゝはたけあひだくとては
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さうして什麽どんなときでも本能ほんのう衝動そゝ機會きくわいがあればくのだといつてつてかへるもひつそりとした。大雨おほあめあとはたけへは百姓ひやくしやう大抵たいていひかにしてなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
外は日向のもく/\あたゝかい日であつたけれど、じつと、あの鳥のやうに遁げた女を考へて立つ冷吉には、何だか、かうした日向は、物悲しい心持をそゝるやうに着物に浸みた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
さうしていよ/\となればおれがどうにでも其處そこ始末しまつをつけてるから、なんでも愚圖ぐづ/\してちや駄目だめだとおしなこゝろ教唆そゝつたのであつた。おしなから一しん勘次かんじせまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
天然てんねん阴阳いんやう気運きうんしよくする所ならんか。くだんごとく雪中に糸となし、雪中にり、雪水にそゝぎ、雪上にさらす。雪ありてちゞみあり、されば越後縮は雪と人と気力きりよく相半あひなかばして名産めいさんの名あり。
そゝげども竹愈〻翠に、天寒けれども鴨水に親しむ面白い境に到り得たのであるが、何樣どうして容易に其處に到り得よう。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
拙者がうちだと思へばいハテ百年住み遂げる人は無いわサト痩我慢の悟りを開き此所このところの新築見合せとし田へ引く流に口をそゝ冗語むだつかれの忘れ草笑聲わらひ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
二十五の秋から今日まで、純情をそゝいで来た足掛四年の月日を何う取り返しやうもなかつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
聊か以て意をそゝぎ心を平らかにし、死生の域を同じうして、而して胸中に怵惕する無からんとす、然り而して或者は專ら以て務と爲す、則ち誕欺怪迂の文、彌〻以て益す多し
道教に就いて (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これ/\よしや、明日のう、あの粗々そゝっかしい明樽買いが来たら、少し用があるから呼んでくれ、門の方から入れずに裏口の外庭の方から入れてくれろ、いゝか
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
男嶽をのかみ女嶽めのかみとの間になだれ落ちてゐる大きな曲線たわが、又次第に両方へそゝつて行つてゐる此二つの峰のあひだの広い空際そらぎは。薄れかゝつた茜の雲が、急に輝き出して、白銀はくぎんの炎をあげて来る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なにやら物にそゝられる
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
(やあ、人参にんじん干瓢かんぺうばかりだ、)と踈匆そゝツかしく絶叫ぜつけうした、わたしかほ旅僧たびそうこらねたものとえる、吃々くつ/\わらした、もとより二人ふたりばかりなり、知己ちかづきにはそれからつたのだが
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)