“濯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すす47.9%
そそ12.5%
すゝ10.4%
あら8.3%
そゝ8.3%
あろ4.2%
ゆす4.2%
すゝぎ2.1%
スヽ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうして正太と二人ぎりで居ることは、病院に来ては得難い機会おりであった。豊世はすすものか何かに出て居なかった。幸作も見えなかった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
酒を飲んで石に及ぶといえども、水をもってすなそそぐが如き者であったというのであるから、浴びるほど飲んでいたのであろう。
酒渇記 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
私は、私自身がブロクルハーストの前に狡猾かうくわつ邪惡じああくな子とされてしまつてゐるのがわかつた。そして、この汚名をめいすゝぐ爲めに、私は一體何をすることが出來るのか?
『滄浪の水清まばもって吾がえいあらうべく、滄浪の水濁らばもって吾が足をあらうべし』……融通無碍むげになりさえすれば、物事かえって面白うござる
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もとは檀家の一人成しが早くに良人を失なひて寄る邊なき身の暫時こゝにお針やとひ同樣、口さへ濡らさせて下さらばとて洗ひそゝぎよりはじめてお菜ごしらへは素よりの事
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たまた荷葉かよう披麻ひますものあり、波浪をあろうてもっず、交替去来、応接にいとまあらず、けだし譎詭けっき変幻中へんげんちゅう清秀せいしゅう深穏しんおんたいぶ。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「冷吉。——冷吉。もう出て口をおゆすぎなさい。何時だと思ふの?——どうかしたのかいお前。なぜ返事もしないで默つてゐるの?」
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
ばおすゝぎなさるがよいと言れてよろこ會釋ゑしやくしてやれし垣根の切戸きりどけ廣くも非ぬ庭へ進むに老人背後うしろ見返みかへりておみつ水を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
出雲国造神賀詞の「彼方ヲチカタの古川岸、此方の古川岸に、生ひ立てる、若水沼ワカミヌマのいや若えにみ若えまし、スヽぎ振るをどみの水の、いやをちにみをちまし……」
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)