“搖”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
35.8%
ゆす23.1%
ゆら16.4%
ゆる10.4%
うご4.5%
そゝ2.2%
ゆすぶ2.2%
ユラ1.5%
ゆり1.5%
イブ1.5%
うごか0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俥が橋を渡り盡すと、路は少し低くなつて、繁つた楊柳やなぎの間から、新らしい吉野の麥藁帽が見える。橋はその時まで、少しれてゐた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
あるときは、隣室りんしつてゐるKの夫人ふじんゆすおこされてましたが、彼女かのぢよにはそれがたんゆめとばかり、すことができなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
さうして其一喝した自分の聲にさへ、實際は恐怖心がゆらいだのであつた。雨は益〻降る。一時間に四分五分しぶごぶ位づゝ水は高まつて來る。
水害雑録 (旧字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)
それがかへつて未だ曾て耳にしたためしのない美しい樂音を響かせて、その音調のあやは春の野に立つ遊絲かげろふの微かな影を心の空にゆるがすのである。
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
短い太皷型たいこがたの石橋を渡ると、水屋みづやがあつて、新らしい手拭に『奉納ほうなふ』の二字を黒々とにじませて書いたのが、微風びふううごいてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
夕日ゆふひは低く惱ましく、わかれの光悲しげに、河岸かし左右さいうのセエヌがはかは一杯いつぱいきしめて、むせんでそゝさゞなみに熱い動悸どうきを見せてゐる。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
あつともはず、色男いろをとこゆすぶるやうにわな/\とをくねると、がつくりとつて、こしからさきへ、べた/\とひざくづれる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
唯、姫の仰ぎ寢る頂板ツシイタに、あゝ、水にさし入つた月。そこに以前のまゝに、幾つもカサの疊まつた月輪の形が、ユラめいて居る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
ふたゝ幾日いくにち何時なんじごろに、第一震だいいつしん以上いじやうゆりかへしがる、そのとき大海嘯おほつなみがともなふと、何處どこかの豫言者よげんしやはなしたとか。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さう思うて、姥たちも、覺えたゞけの事は、郎女樣のみタマイブる樣にして、歌ひもし、語りもして參りました。教へたなど仰つては私めらが、バチを蒙らねばなりません。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
老いたる方の漕手答へて、舟を停むべきところは、さきに漕ぎ出でしところの外たえて無ければ、是非とも島を一周せでは叶はずといひつゝ、うごかす手を急にしたり。