“揺”のいろいろな読み方と例文
旧字:搖
読み方割合
ゆ32.7%
ゆす27.8%
ゆら14.0%
ゆる8.2%
うご7.6%
ゆすぶ2.5%
ゆらめ1.5%
ふ0.9%
ゆれ0.7%
うごか0.6%
ゆさ0.6%
ユラ0.3%
い0.3%
いぶ0.3%
うごく0.3%
ゆり0.3%
ゆるぎ0.3%
うごき0.1%
か0.1%
そそ0.1%
どよ0.1%
ぶ0.1%
ゆすら0.1%
ゆっ0.1%
イブ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
果(は)たして、真夜中(まよなか)のこと、ぶつかる風(かぜ)のために、家(いえ)がぐらぐらと地震(じしん)のように揺(ゆ)れるのでした。風(かぜ)は東南(とうなん)から、吹(ふ)きつけるのでした。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、いうことは素気(そっけ)ないが、話を振切(ふりき)るつもりではなさそうで、肩を一(ひと)ツ揺(ゆす)りながら、鍬(くわ)の柄(え)を返して地(つち)についてこっちの顔を見た。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一斉に絶えず微(かすか)に揺(ゆら)いで、国が洪水に滅ぶる時、呼吸(いき)のあるは悉(ことごと)く死して、かかる者のみ漾(ただよ)う風情、ただソヨとの風もないのである。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
宮路、冠山の二城を失って、七城連環の敵の外輪は、その防禦陣に歯の抜けたような揺(ゆる)ぎを呈し出した。一歯を失えば両歯がゆらぐ。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
庭の桔梗(ききょう)の紫揺(うご)き、雁来紅(けいとう)の葉の紅戦(そよ)ぎ、撫子(なでしこ)の淡紅靡(なび)き、向日葵(ひまわり)の黄頷(うなず)き、夏萩の臙脂(えんじ)乱れ、蝉の声、虫の音(ね)も風につれて震(ふる)えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
とせい/\、肩(かた)を揺(ゆすぶ)ると、其(そ)の響(ひゞ)きか、震(ふる)へながら、婦(をんな)は真黒(まつくろ)な髪(かみ)の中(なか)に、大理石(だいりせき)のやうな白(しろ)い顔(かほ)を押据(おしす)えて、前途(ゆくさき)を唯(たゞ)熟(じつ)と瞻(みまも)る。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
殊に歳暮(さいぼ)の夜景の如き橋上(けうじやう)を往来する車の灯(ひ)は沿岸の燈火(とうくわ)と相乱れて徹宵(てつせう)水の上に揺(ゆらめ)き動く有様(ありさま)銀座街頭の燈火(とうくわ)より遥(はるか)に美麗である。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「まあ、出しなさい。なるほど嵩張(かさば)る割に軽いもんだね。見っともないと云うのは小野さんの事だ」と宗近君は屑籠を揺(ふ)りながら歩き出す。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
段を上(のぼ)ると、階子(はしご)が揺(ゆれ)はしまいかと危(あやぶ)むばかり、角(かど)が欠け、石が抜け、土が崩れ、足許も定まらず、よろけながら攀(よ)じ上(のぼ)った。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人は辺(ほと)りにありてかれ将(まさ)に死せんとする時かならず屁(へ)をひるを避(さけ)る。狐尾を揺(うごか)さゞるを見て溺死(おぼれしゝ)たるを知(し)り、尾を採(と)り大根を抜(ぬく)がごとくして狐を得(う)る。
斑(まだ)らな雪、枯枝を揺(ゆさ)ぶる風、手水鉢(ちょうずばち)を鎖(と)ざす氷、いずれも例年の面影(おもかげ)を規則正しく自分の眼に映した後、消えては去り消えては去った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
唯、姫の仰ぎ寝る頂板(ツシイタ)に、あゝ、水にさし入つた月。そこに以前のまゝに、幾つも暈(カサ)の畳まつた月輪の形が、揺(ユラ)めいて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
花世は、その優しいことばに、かえって、激しい感情を揺(い)たぶられたように、わっと、老先生の膝に泣きすがった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さう思うて、姥たちは覚えただけの事は、姫御様のみ魂(たま)を揺(いぶ)る様にして、歌ひもし、語りもして参りました。教へたなど仰つては、私めらが罰を蒙らねばなりません。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
双無塩(ふたりのあくぢよ)独(ひとり)の西施(せいし)と語(かた)るは蒹葭(けんが)玉樹(ぎよくじゆ)によるが如く、皓歯(しろきは)燦爛(ひか/\)としてわらふは白芙蓉(はくふよう)の水をいでゝ微風(びふう)に揺(うごく)がごとし。
かれは遺憾(いかん)の意を表された。勘定をすました。食事をしてから、なまあたたかい宵を揺(ゆり)いすに腰かけて新聞をよみながら、裏側のテラスですごした。
お京の方が先んじて、ギイと押すと、木戸が向うへ、一歩先陣、蹴出す緋鹿子、揺(ゆるぎ)の糸が、弱腰をしめて雪を開いた。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
本統に必死の場合とは茲のことだ、余は全く自分の事の様に思い、眸を凝らして秀子の様子を見た、静かだ、実に静かだ、恐れとか驚きとか云う様には顔の一筋だも揺(うごき)はせぬ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
手を伸べて燈を揺(か)き消せば、今までは松の軒に佇(たゝず)み居たる小鬼大鬼共哄々と笑ひ興じて、わが広間を填(うづ)むる迄に入り来れり。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「夏」の歌「秋」を揺(そそ)りぬ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
ふと下から人が見て居やしまいかと思って見下した時には自分は幾十尺という空中に揺(ぶ)ら下っている気持がして、もう眼が昏(くら)んで何も見定(みさだめ)が付かなかった。今更私は後悔したけれど、仕方がない。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
肩に懸けたる手をば放さで連(しきり)に揺(ゆすら)るるを、宮は銕(くろがね)の槌(つち)もて撃懲(うちこら)さるるやうに覚えて、安き心もあらず。冷(ひややか)なる汗は又一時(ひとしきり)流出(ながれい)でぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
先ず考え可し、此通り幾曲りも揺(ゆっ)て居るのは縮れッ毛だぜ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
さう思うて、姥たちも、覚えたゞけの事は、郎女様のみ魂(タマ)を揺(イブ)る様にして、歌ひもし、語りもして参りました。教へたなど仰(オツシヤ)つては私めらが、罰(バチ)を蒙らねばなりません。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)