“靡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なび93.5%
2.3%
なびか0.8%
ナビ0.8%
0.5%
しな0.5%
かゞや0.3%
ただ0.3%
たなび0.3%
なびい0.3%
なみ0.3%
ナミ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高い旗竿から八方に張り渡した縄にはいろいろの旗が並んで風になびいている。その中に日の丸の旗のあるのが妙に目に立って見えた。
異郷 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
酒にへてか、よろめく足元危く、肩には、古ぼけた縞の毛布ケツトをかけていたが、その姿から見ると、くるま夫ででもあろうか。年は女よりは三つばかり年長としかさに見えた。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
切髪は乱れ逆竪さかだちて、披払はたはたひるがへ裾袂すそたもとなびかされつつただよはしげに行きつ留りつ、町の南側を辿たどり辿りて、鰐淵が住へる横町にりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
雲がきれ、光りのしづまつた山の端は、細く金の外輪をナビかして居た。其時、男嶽ヲノカミ女嶽メノカミの峰の間に、あり/\と浮き出た 髪 頭 肩 胸——。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
帆足万里ほあしばんりはかつて留守居をののしって、国財をし私腹を肥やすものとした。この職におるものは、あるいは多く私財を蓄えたかも知れない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
たはわざなせそ」は、たわわざをするな、巫山戯ふざけたまねをするな、というので、「うちしなりてぞ妹は、たはれてありける」(巻九・一七三八)の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
山の上にヒラヒラかゞやく朝の白い雲を見て、旗振りの爺を見て、それから此処等でよく見るやうな小さな停車場で下りて、庇の長く出てゐる田舎町を通つて
百日紅 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
啀み合えば合うほど、自分の反抗心と、憎悪の念とが募って行くばかりである。長いあいだ忘れていた自分の子供の時分に受けた母親の仕打が、心にただれてゆくばかりである。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それが、群青ぐんじょうなまの陶土に溶かし込んだような色で、粘稠ねっとりよどんでいる。その水面に、みずちの背ではないかと思わせているのが、金色を帯びた美しい頭髪で、それが藻草のようにたなびいているのだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
稈には節があり、葉は緑色狭長で長く尖りその葉鞘を以て稈に互生し、秋に至り梢頂に褐紫色の花穂を出し多数の穎花から成りふさふさとして風来ればなびいている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
一三一豊臣の威風四海をなみし、一三二五畿七道一三三ややしづかなるに似たれども、一三四亡国の義士彼此をちこちひそかくれ、或は大国のぬしに身をせて世のへんをうかがひ、かねて一三五こころざしげんとはかる。
ナミく藻のウツクツマと語らはず別れし来れば……霊あはゞ君来ますやと……たまぼこの道来る人のちとまりいかにと問はゞ答へやるたつきを