“年長”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
としかさ38.2%
としうえ20.0%
うえ10.9%
うへ9.1%
としうへ9.1%
とした9.1%
ねんちやう1.8%
オイ1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
座敷の中央まんなかが、取片付けられるので、何かと思つたら、年長としかさな芸妓が三人三味線をひかへて入口の方に列んだ。市子が立つて踊が始まる。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
民助伯父おじ——岸本から言えば一番年長としうえの兄は台湾の方で、彼女の力になるようなものは叔父としての岸本一人より外に無かったから。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
奥さんの小言の飛沫とばしり年長うえのお嬢さんにまで飛んで行った。お嬢さんは初々ういういしい頬をあからめて、客や父親のところへ茶を運んで来た。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
年長うへの長ちやんは学校へ行き始めてから急に兄さんらしく成つたと言はれて居るが、何となくその日はしをれた顔付で、背後うしろからお節にすがりついた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
校長も、年長としうへの生徒に案内をさせる為に待たしてあるといふので、急いで靴を磨いて出懸けた。出懸ける時に甲田のつくゑの前へ来て
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
これに反対はんたいしたる開化党は多く年長としたけたる士なりしが、其かしらにたちて事をなす学者二人ありて、皆陽明学者なりし、その一人は六郎が父なりき。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
年長ねんちやうの婦人は、てんの皮でふちをとつた高價な天鵞絨びろうどのショールに包まれ、フランス風な捲毛の附け前髮をつけてゐた。
必、夫なり妻なりが、其相手よりも若くて、年増しの妻なり、年長の夫なりの介添へによつて連れ添うて来たと言ふ間柄の夫婦を言つてゐる。多くは年長オイ女房を後見ウシロミと言ふのである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)