“毛布”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けっと37.1%
ケット18.6%
けつと17.5%
もうふ11.3%
ゲット4.1%
ケツト4.1%
けっとう2.1%
けぬの2.1%
げっと1.0%
まうふ1.0%
ケツトー1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
行く手は二丁ほどで切れているが、高い所から赤い毛布けっとが動いて来るのを見ると、登ればあすこへ出るのだろう。路はすこぶる難義なんぎだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
赤い毛布ケットかつぎ、「カリメラ」の銅鍋どうなべや青いほのおを考えながら雪の高原を歩いていたこどもと、「雪婆ゆきばンゴ」や雪狼ゆきオイノ雪童子ゆきわらすとのものがたり。
と呼ばれて毛布けつとの上へ草履を脱いで上つた私達は、お重の中のおはぎをお皿なしに箸で一つ一つ摘んで食べようとしました。小い従兄は
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ばったり であった ひつじかいのおかみさんから、ごわごわの毛布もうふをはぎとって、それを、おうさまのところへ もってかえってきました。
おまけに吾輩は内地の騎兵軍曹の古服を着て、山高帽に長靴、赤毛布ゲット仕込杖しこみづえ……笑っちゃいけない。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
豐田さんの家の奧の二階は廣い靜かな座敷で、そこに父は旅の毛布ケツトやら荷物やらを解き、暫時しばらく逗留しました。
母親が徹夜てつやして縫ってくれた木綿もめん三紋みつもんの羽織に新調のメリンスの兵児帯へこおび、車夫は色のあせた毛布けっとうはかまの上にかけて、梶棒かじぼうを上げた。なんとなく胸がおどった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ねづみの色の毛布けぬのもておほへる如く、物びぬ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
とも、おもてのサンパンも、赤毛布げっとで作られた厚司あつしを着た、囚人のような船頭さんによって、ぎつけられた。沖売ろうの娘も逸早いちはやく上がって来た。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
はやく、さみしいことは、室内しつないは、一人ひとりのこらず長々なが/\つて、毛布まうふつゝまつて、みなる。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
乘組のりくみ人員じんゐんは、五人ごにん定員てんゐんで、車内しやないには機械室きかいしつほかに、二個にこ區劃くくわくまうけられ、一方いつぽう雨露うろしのぐがめにあつ玻璃板はりばんもつ奇麗きれいおほはれ、床上しやうじやうには絨壇じゆうたんくもよし、毛布ケツトーぐらいでますもよし