“一方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとかた70.4%
いつぱう10.1%
いっぽう6.3%
かた/\5.8%
いつぽう4.8%
いつはう0.5%
かたかた0.5%
かたへ0.5%
かた/″\0.5%
ひとり0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一喝いっかつして首筋をつかみたる様子にて、じょうの内外一方ひとかたならず騒擾そうじょうし、表門警護の看守巡査は、いずれも抜剣ばっけんにて非常をいましめしほどなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
横手よこて桟敷裏さじきうらからなゝめ引幕ひきまく一方いつぱうにさし込む夕陽ゆふひの光が、の進み入る道筋みちすぢだけ、空中にたゞよちり煙草たばこけむりをばあり/\と眼に見せる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
男の子たちがこんなふうに批評ひひょうしている一方いっぽうでは、女の子はまた女の子らしく、少しちがった見方で、話がはずみだしている。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
三「解らないよ、泥濘ぬかるみへ踏込んでも、どっこい悪い処へ来たとあとへ身体を引いて、一方かた/\の足は汚さねえと云う方だが」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(ロ)水源すいげん涵養かんよう。 森林しんりんはかように雨量うりよう調節ちようせつすることが出來できると同時どうじ一方いつぽうでは水源すいげんやしなひとなり、河水かすいれるのをふせぎます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
こひ一方いつはうつよよく一方いつはうはきものとくはいつはり何方いづれすてられぬ花紅葉はなもみぢいろはなけれど松野まつのこゝあはれなり、りとて竹村たけむらきみさしき姿すがたおもえもしたれ、あさからぬ御志みこゝろざしかたじけなさよ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ゆえ一方かたかたの心が歓ぶ時には他方かたかたの心も共に歓び、一方かたかたの心が悲しむ時には他方かたかたの心も共に悲しみ、一方かたかたの心が楽しむ時には他方かたかたの心も共に楽み、一方かたかたの心が苦しむ時には他方かたかたの心も共に苦しみ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
りつなぐさめつ一方かたへこゝろかせんとつと一方かたへ見張みはりをげんにしてほそひも一筋ひとすぢ小刀こがたな一挺いつてふたかれさせるなよるべつしてをつけよと氣配きくば眼配めくば大方おほかたならねば召使めしつかひのものこゝろかぜおと
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
無惨や右内は乳の上を打抜かれて一度ひとたびは倒れましたが、一方かた/\へ刀一方かた/″\へ草を掴んで立上り、足を爪立て身をふるわせ、ウーンと云いながら、がら/\と血を吐き出しますと
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……石段下のそこの小店のおばあさんの話ですが、山王様の奥が深い森で、その奥に桔梗ヶ原ききょうがはらという、原の中に、桔梗の池というのがあって、その池に、お一方ひとり
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)