“将”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
まさ50.8%
20.4%
はた7.5%
4.2%
しょう2.9%
ひき2.5%
2.5%
もっ1.3%
もつ1.3%
0.8%
マサ0.8%
0.8%
もち0.8%
0.8%
いで0.4%
ひきゐ0.4%
0.4%
とき0.4%
はたま0.4%
ハタ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信幸怒ってまさに幸村を斬らんとした。幸村は、首をねることは許されよ、幸村の命は豊家のために失い申さん、志なればと云った。
真田幸村 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
及ばずながら常に男子に後援たらんとせしにほかならず、かの男子と共に力を争い、た功を闘わさんなどは妾の思いも寄らぬ所なり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「骨肉亦無多。孑立将何恃。」〔骨肉亦多キコト無ク/孑立シテはた何ヲカたのマン〕枕山には兄弟骨肉の互に相恃あいたのむべきものがなかった。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
世の物語に天狗のカゲマとふことありて、ここかしこに勾引こういんさるゝあり。或は妙義山にて行かれてやっことなり、或は讃岐さぬきの杉本坊の客となりしとも云ふ。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
敗軍はいぐんしょうは兵をかたらずと申します。ひとたび天目山てんもくざん惨敗ざんぱいをとられた父上が、弓矢をなげうつのご決心は、よくわかっておりまする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たおれて知るところなし、犬徬徨涕泣ほうこうていきゅう走って船に還りまた草中にかえる。同伴怪しみ随い往き隆の悶絶せるを見、ひきいて家に帰る。
ヘルミット然たる佐田介石師が「ランプ」亡国論や天動説を著して得々乎として我道さに行はれんとすと唱はれたる時代もありき
もてあそブ/頑雲月ヲ包ミテ山角ニ走リ/急霰風ニ乗リテ帽尖ヲツ/遺却ス身材ハ襪線ノ如シ/擬ス涓滴ヲもっテ炎炎ヲ救フニ〕
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ふたゝび荊棘けいきよくえだとり香花かうくわ神前しんぜんさしはさみくうず。次にあつま各童わらべども手に木刀をとりみち隊閙たいだうしすべて有婚こんれいして无子こなきをんな木刀をもつ遍身へんしん打之これをうち口に荷花蘭蜜こばらみとなふ。
男これを懐にして今は返ろうと言うに、さきの女子来て例の門にれ出で眠らせて池辺に送り出し重ね重ね礼を述べて消え失せた、家に帰ればしばしと思う間に数日経ていた
夙夜シュクヤ憂思ユウシシテ恐ル、マサニ天下危ウカラントスルヲ。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然かも放翁六十三歳、厳州に在りて詩を刻し、已に旧稿をつて痛く刪汰を加ふ。六十六歳、家居して又た詩稿を刪訂す。
汝が述べたるところの如きは円顱の愚物が常套の談、醜し、醜し、もち帰り去れ、※※こそんいかりかす胡餅こべいの一片、朕を欺かんとや、迂なり迂なり、想ひ見よ、そのかみ朕此讃岐の涯に来て
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
をりふし人目のせきもなかりしかば、心うれしくおはたやをいでゝ家のうしろにいたり、まどのもとに立たる男を木小屋きこやに入ぬ。
聴水忽ちまなこを細くし、「さてもうまくさや、うまくさや。何処いずくの誰がわがために、かかる馳走ちそうこしらへたる。いできて管待もてなしうけん」ト、みちなきくさむらを踏み分けつつ、香を知辺しるべ辿たどり往くに
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
北条霞亭は辛巳の歳に東に召された時、初は単身入府し、後更にひきゐうつつた。前の江戸行は四月十三日に命ぜられて、六月の初に江戸に著したらしい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
紇は財宝と美女をて山をおりたが、美女達はそれぞれその夫を探して帰らした。
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しかしてときにこの稿を了らむとするに当り、僅か三週の間なりしとは云へ、我が半生に於ける最大の安慰ゐせきと幸福とを与へたりしかの陋苦むさくるしき四畳半が
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
はたまた延期すべきやは第一帝国議会の劈頭へきとう第一の大問題となった。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
なごり惜しく過ぎ行くウツし世のさま/″\。郎女は、今目を閉ぢて、心に一つ/\収めこまうとして居る。ほのかに通り行き、ハタ著しくはためき過ぎたもの——。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)