“ゐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
57.7%
4.8%
4.5%
4.2%
2.9%
2.6%
2.6%
2.2%
1.9%
1.9%
1.9%
1.6%
1.0%
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0.6%
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0.3%
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0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐賀錦さがにしき紙入かみいれから、の、ざく/\と銅貨どうくわまじりをあつかつた、岡田夫人をかだふじん八千代やちよさんの紙包かみづつみの、こなしのきれいさをいまでもおぼえてる。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども、次第しだい畜生ちくしやう横領わうりやうふるつて、よひうちからちよろりとさらふ、すなどあとからめてく……る/\手網であみ網代あじろうへで、こし周囲まはりから引奪ひつたくる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つねなんともおもはぬ島田しまだがめ今日けふばかりはづかしいとゆふぐれのかゞみまへなみだくむもあるべし、きくのおりきとても惡魔あくまうまがはりにはあるまじ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
石の橋の上には、刈つたが並べて干してあつて、それから墓地の柵までのあひだは、笠のやうな老松らうしようが両側からおほひかゝつた。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
榛軒は友人門弟等をて往いて遊んだ。其時門弟の一人が柏を負うて従つた。一行は茶屋青柳あをやぎに入つて藝者小房等を呼んで飲んだ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
二十五六さいころより毎日まいにち朝夕てうせき實行じつかうして、七十七さい今日こんにちおよび、爾來じらい數十年間すうじふねんかん頭痛づつうわすれ、健全けんぜんとなり、感冐かんばうをかされたることいま一度いちどもあらず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
二十、打手のかかり候はの刻頃と存じ候。お屋敷の表は河北石見預り、裏の御門は稲富伊賀預り、奥は小笠原少斎預りと定まり居り候。
糸女覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
くも脚下あしもとおこるかとみれば、たちまちはれ日光ひのひかりる、身は天外に在が如し。この絶頂はめぐり一里といふ。莽々まう/\たる平蕪へいぶ高低たかひくの所を不見みず、山の名によぶ苗場なへばといふ所こゝかしこにあり。
朝廷から従四位下弾正少弼だんじやうせうひつに叙任されると、朝恩の厚きに感激し、「我ながらにして、官爵を受く、これ恐らくは人臣の大義に非ず。まさに上洛して天恩を拝謝せん」
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
資本もとでに初めし醫者家業いしやかげふ傷寒論しやうかんろんよめねどもなりとて衣服いふくおどかし馬鹿にて付る藥までした三寸の匙加減さじかげんでやつて退のいたる御醫者樣もう成ては長棒ながぼうかごよりいのち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
僧正の遺品だと云はれる経巻が鼠糞そふんせられて居た。僕の長兄も律宗の僧であると告げたら寺僧は無造作にその経巻の貝多羅葉ばいたらえふ数枚を引きちぎつてれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
さかんなるかな炎暑えんしよいろ蜘蛛くもまぼろしは、かへつ鄙下ひなさが蚊帳かやしのぎ、青簾あをすだれなかなる黒猫くろねこも、兒女じぢよ掌中しやうちうのものならず、ひげ蚊柱かばしら號令がうれいして、夕立ゆふだちくもばむとす。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
君達は理窟を云ふが失敬ながら猶だ社会を知つておらんやうだ。先ア僕の説を聞給へ。斯う見えて僕は故郷くにた時分は秀才と云はれて度々新聞雑誌に投書をして褒美を貰つた事もある。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
白きの横伏しあへ
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
丁度お絹が殺された日の夕方、あの野郎が腹の減つたやうな大犬をつれて、柳原のあたりを、賣れさうもない熊のを賣つて歩いて居たさうですよ
陽炎かげらふは、しかく、村里むらざと町家まちやる、あやしき蜘蛛くもみだれた、幻影まぼろしのやうなものではく、あだか練絹ねりぎぬいたやうで、てふ/\のふわ/\と呼吸いきが、そのはねなりに飜々ひら/\ひろがる風情ふぜい
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それも罪三族をすといふ、蒙昧な時代ならばいざ知らず、この昭代でありながら、面会人までも罪人同様に、かくの如く薄汚なく、かくの如く疎雑なる、はたまたかくの如く不待遇ぶあしらひ極まる建築所に
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
又た義実よしざねが自白のことばに「かくてかの玉梓たまづさが。うらみはこゝにあきたらず。八房の犬となりかはりて。伏姫をて。深山辺みやまべに。隠れて親に物を思はせ。」云々しか/″\
狂妄きやうまうほとんど桓玄司馬倫のに類す、うべなるかなくびすかへさずしてちゆうに伏するや
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かくもおどろくべき速力そくりよくいうするのはまつたてい形體けいたいと、蒸氣力じようきりよくよりも電氣力でんきりよくよりも數十倍すうじふばい強烈きようれつなる動力どうりよくによることうたがひれぬが
貴下あなた海上かいじやう法則ほうそくりませんか、たとへ如何どんことがあらうとも船員せんゐん以外いぐわいものそれくちばしれる權利けんりいです、またわたくし貴下あなたから其樣そん報告ほうこくける義務ぎむいです。
しかし「手紙は山陽がまさわづかに茶山の塾を去りて京都にくだせる時書かれたる者」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
豊洲は中年にして与力の職を弟直道なほみちに譲り、くだに授けたと云ふ。墓誌に徴するに、与力を勤むることゝなつてから本郷に住んだ。致仕の後には「下帷郷南授徒」と書してある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
つるぎほこのように、これをかた日本につぽんでは發見はつけんされないので、あるひは支那しなほうから輸入ゆにゆうしたものだらうといはれますが、支那しなには、これとおな品物しなものがありませんので
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
またどうすゞをまぜるとるのに容易よういで、しかもかたくつて丈夫じようぶであるといふことも、最初さいしよ偶然ぐうぜんつたらしいのでありますが、幾度いくどかの經驗けいけんどう九分くぶすゞ一分いちぶをまぜあはすと
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
獨逸等ドイツとうおと名高なだか國々くに/″\名所めいしよ古跡こせき遍歴へんれきして、其間そのあひだつきけみすること二十有餘箇月いうよかげつ大約おほよそまん千里せんり長途ながたびあとにして、つひ伊太利イタリーり、往昔むかしから美術國びじゆつこく光譽ほまれたか
船長閣下せんちやうかくかたまへ、難破船なんぱせんがある! 難破船なんぱせんがある!』とさけぶと、此時このとき船長せんちやうすで寢臺ベツドうへよこたはつてつたが、『んですか。』とばかり澁々しぶ/\起上おきあがつてドーアひらいた。わたくしはツトすゝ
左に雛妓すうぎを従へ、猥褻わいせつ聞くに堪へざるの俚歌を高吟しつつ、傲然がうぜんとして涼棚りやうはうの上に酣酔かんすゐしたる、かの肥大の如き満村恭平をも記憶す可し。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
斯くして予はかの肥大に似たる満村恭平の如く、車窓の外に往来する燈火の光を見、車蓋しやがいの上に蕭々せうせうたる夜雨の音を聞きつつ、新富座を去る事はなはだ遠からずして、かならず予が最期の息を呼吸す可し。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
龐涓はうけんみづから・きはまりへいやぶるるをり、すなは(五七)自剄じけいしていはく、『つひ(五八)豎子じゆしせり』と。せいつてかちじようじてことごと其軍そのぐんやぶり、太子たいししんとりこにし(五九)かへる。
いまわか樂人共がくじんどもするであらう、さうせうと被言おしゃったによって。
探るも氣の毒なり一行はながらにして名所を知るの大通なる上露伴子といふ先達せんだつあり云立を並べんとする小僧の口を塞ぎ座敷を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
博物館の規模は東京のに比べて小さいが、馬来マレイ印度インド、南洋諸島等の動植物、古噐物こきぶつ、風俗資料の類はなりに豊富で、陳列法も親切に出来て居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
らぬのお八重やへ素振そぶさつせずどく我身わがみ大事だいじにかけるとてゆるほど心配しんぱいさせし和女そなたなさけわすれぬなりりながら如何いかほどくしてくるゝともなるまじきねがひぞとは漸〻やう/\斷念あきらめたりそれにつきてまたべつ父樣と さまはゝさまへの御願おねがひあれどかたなり和女そなたなりになげきを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
草葉くさばつゆえてしまはねばならぬのであるから成敗せいばいもとより豫期よきがたいが、出來得できうけの手段しゆだんつくさねばならぬとかんがへたので、つひけつして、吾等われらこの急難きふなんをば
而れどもして熟考すれば之れ最終さいしう露宿ろしゆくにして、前日来の露宿中はあめほとんどなく、熟睡じゆくすい以て白日のらうせし為め、探検たんけん目的もくてきぐるを得せしめしは、じつに天恩無量と云つべし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
かくの如くにして世界の主、蒼生さうせいの君と云ふべきなり。其見そのけん小にして、一体一物の理を知らざるは、猶全身して疾痛※痒あやうを覚えざるごとし。百世身を終るまで開悟することあたはず。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
田のしばにぬか雨むすぶ蜘蛛ののかがよふ見れば春は来にけり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
(二〇)かみおこなへばすなは(二一)しんかたし。(二二)らざればくにすなは滅亡めつばう
先生作る所の小説戯曲随筆等、長短錯落さくらくとして五百余編。けいには江戸三百年の風流を呑却どんきやくして、万変自ら寸心に溢れ、には海東六十州の人情を曲尽して、一息忽ち千載に通ず。
「鏡花全集」目録開口 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
われはまさに口を開かんとするに臨みて、神の我に光明を與へ給ふを覺えたり。先づヱネチアの配偶なる、威力ある海を敍し、それより海の兒孫なる航海者に及び、性命を一に托する漁者に及べり。
ひながらいましもなつかしき母君はゝぎみうわさでたるに、にしことどもおもおこして、愁然しゆうぜんたる日出雄少年ひでをせうねん頭髮かしらでつゝ
アガメムノーン總帥の舟のめぐりにるを見る
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)