“労”のいろいろな読み方と例文
旧字:勞
読み方割合
つか30.8%
いたわ25.5%
いた22.0%
ねぎら3.8%
ろう3.8%
いたは3.5%
らう1.6%
つかれ1.3%
ねぎ1.3%
わづら0.6%
ね0.6%
づか0.6%
わづらは0.6%
いたはり0.3%
つ0.3%
つい0.3%
ついや0.3%
つこ0.3%
つと0.3%
どう0.3%
はたら0.3%
わずら0.3%
わずらわ0.3%
わづらひ0.3%
ヅク0.3%
ヤミ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「イヤ別に用事ではないが、お前は昼中働いて、労(つか)れてもゐる事だから、せめて夜だけでも、おッ母さんに代はらせやうと思つてよ」
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
よそ行着(ゆきぎ)を着た細君を労(いたわ)らなければならなかった津田は、やや重い手提鞄(てさげかばん)と小さな風呂敷包(ふろしきづつみ)を、自分の手で戸棚(とだな)から引(ひ)き摺(ず)り出した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こちらを労(いた)わった上に、武芸者は相見たがいというようなわけで、一晩とめて、その上に草鞋銭(わらじせん)をくれて立たせてくれるに相違ない。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
折よく定助も他出からもどって風呂に入ったところで、正造の顔をみるとまず長途の旅を労(ねぎら)うのだった。だが正造は坐るといきなり
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)
且つまた、本当の安楽は、世の見て以て逸(いつ)とするところに存在せずして、見て以て労(ろう)とするところに存在するのではございますまいか。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
其れを知らぬ程の良人(をつと)では無いが、持前(もちまへ)の負嫌(まけぎら)ひな気象と妻を労(いたは)る心とから斯う確乎(きつぱり)した事を云ふのであると美奈子は思つて居る。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
頃者(このごろ)年穀(ねんこく)豊かならず、疫癘(やくらい)頻(しき)りに至り、慙懼(ざんく)交(こもごも)集りて、唯(ひとり)労(らう)して己(おのれ)を罪す。是(これ)を以て広く蒼生(さうせい)の為(ため)に遍(あまね)く景福(けいふく)を求む。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
啄木、永く都塵に埋もれて、旦暮(たんぼ)身世(しんせい)の怱忙(そうばう)に追はれ、意ならずして故郷の風色にそむくうちに、身は塵臭に染み、吟心また労(つかれ)をおぼえぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それが済むと、彼は始めて微笑を浮べながら、妾を労(ねぎ)らった。それから再び外へ出て不忍池(しのばずのいけ)を真下に見下ろす、さる静かな料亭の座敷へ連れこんだのだった。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
三三故(ゆゑ)なき所に永く居(を)らじと、三四己(おの)が身ひとつを竊(ぬす)みて国に還(かへ)る路(みち)に、此の疾(やまひ)にかかりて、思ひがけずも師を労(わづら)はしむるは、身にあまりたる御恩(めぐみ)にこそ。
食国(をすくに)の遠(とほ)の御朝廷(みかど)に、汝等(いましら)が斯(か)く罷(まか)りなば、平らけく吾は遊ばむ、手抱(たうだ)きて我は御在(いま)さむ、天皇(すめら)朕(わ)がうづの御手(みて)もち、掻撫(かきな)でぞ労(ね)ぎたまふ、うち撫でぞ労(ね)ぎたまふ、還(かへ)り来む日相(あい)飲(の)まむ酒(き)ぞ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
大病(たいびやう)でも自分で死ぬと覚悟(かくご)をし、医者(いしや)も見放(みはな)した事も知つて居(を)り、御看病(ごかんびやう)は十分に届(とゞ)き、自分も最(も)う死ぬと諦(あきら)めが附(つ)いてしまつても、とろ/\と病気(びやうき)労(づか)れで寝附(ねつ)いた時に
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
争ひ得ずして竟(つひ)に貴婦人の手を労(わづらは)せし彼の心は、溢(あふ)るるばかり感謝の情を起して、次いではこの優しさを桜の花の薫(かをり)あらんやうにも覚ゆるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
草枕はるけき旅路の労(いたはり)にもあらで、一九観念修行(くわんねんしゆぎやう)の便(たより)せし庵(いほり)なりけり。
母親も、「誰(た)れか一人大人を附けてやりましょう」と言ったが、大人は昼の仕事に労(つ)かれているので、夜頼むわけにはゆかない。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
お心を労(つい)やすまでのことはありますまい
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「人は長生きせんと思えば、嘘(うそ)をいうべからず。嘘は心をつかいて、少しの事にも心を労(ついや)せり。人は心気だに労せざれば、命ながき事、疑うべからず」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「むむ、半兵衛の看護(みとり)を頼んだぞ。くれぐれ軽はずみをさすな、気を労(つこ)うて帰城をいそぐなと、半兵衛にも伝えおけよ」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爾らのうち誰(たれ)かよくおもい煩いてその生命(いのち)を寸陰も延べ得んや、また何故に衣(ころも)のことを思いわずらうや、野の百合花(ゆり)は如何(いか)にして長(そだ)つかを思え、労(つと)めず紡(つむ)がざるなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「……論(どん)より証拠使用人が大将の為めに労(どう)を吝(おし)みません。第一人格が立派(いっぱ)です」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
綽空様からは、必ずとも、ここへも訪ねてくることならぬといい渡されているのだから、今日、俺がここで労(はたら)いているのでも、あるいは、お叱りの種となるかも知れぬ。どうか、上人へおすがり申して、お声を
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北兵中国の兵は、みな水に馴れず、いま大江に船を浮かべ、久しく土を踏まず、風浪雨荒(ふうろううこう)のたびごとに、気を労(わずら)い身を疲らす。ために食すすまず、血環(ちめぐ)ること遅(ち)、凝(こ)って病となる。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
病友はこれ等を娯(たの)しみ終りまだ薬の気が切れずに上機嫌の続く場合に、鼈四郎を遊び相手に労(わずらわ)すのにはさすがの鼈四郎も、病友が憎くなった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
思ひに思ふのみにて別れて後の事は知らず、如何(いか)なる労(わづらひ)をやさまでは積みけん、齢(よはひ)よりは面瘁(おもやつれ)して、異(あやし)うも物々しき分別顔(ふんべつかほ)に老いにけるよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
木の間より洩り来る 月のかげ見れば、心労(ヅク)しの 秋は来にけり
池辺(イケベ)大宮ニ治(シロシメス)二天下(アメノシタ)ヲ一天皇。大御身(オホミミ)労(ヤミ)賜フ時。歳次(トシハヤドレル)丙午ノ年ニ。召シテ三於大王天皇与(ト)二太子ヲ一而誓願シ賜ハク。我ガ大御病ヲ太平ニ欲スレ坐サント。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)