“いたは”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
28.9%
28.9%
7.9%
5.3%
可傷2.6%
2.6%
可痛2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
慰撫2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
妻をいたはる心持ちの、拘泥なく、しかも深い愛をこめて見える。宴歌として当座に消え失せなかつたのも、故のあることである。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いましふ所の如くば、の勝たむこと必ずしからむ。こころねがふは、十年百姓をつかはず、一身の故を以て、万民おほむたからわづらはしいたはらしめむや。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
彼に悲しみ乞ふ者を心を盡しいたはらむ。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
何故なんで彼様あんねえ目のかたきにしるだんべえ?」と椋は不審に思つて、出来るだけ娘をいたはつてつてゐた。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
敬之進の病気、継母の家出、そんなこんなが一緒に成つて、一層ひとしほお志保の心情を可傷いたはしく思はせる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
物羨みしたりして、外目よそめにも可傷いたはしく思ひやられる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
十七、秀林院様は霜より仔細しさいを聞こし召され、直ちに与一郎様の奥様とお内談に相成り候。後に承り候へば、与一郎様の奥様にも御生害ごしやうがいをお勧めに相成り候よし、何ともおいたはしく存じ上げ候。
糸女覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
紋羽二重もんはぶたへ小豆鹿子あづきかのこ手絡てがらしたる円髷まるわげに、鼈甲脚べつこうあし金七宝きんしつぽうの玉の後簪うしろざしななめに、高蒔絵たかまきゑ政子櫛まさこぐしかざして、よそほひちりをもおそれぬべき人のひ知らず思惑おもひまどへるを、可痛いたはしのあらしへぬ花のかんばせ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
併しまづ何よりも職業なのだから……さう思ふと快活に凡てを諦めて、自分を笑ひ乍らいたはる「江戸つ子」に帰つてゐた。
(新字旧仮名) / 久米正雄(著)
助け起しかついたはり且慰め相談なし此由早速公儀こうぎへ訴へ出べきや又内分にすますべきか何にも致せ娘のことなれば田原町へ此由申遣し其上にて何れとも計ふべしとて直樣一人の男田原町へ駈行かけゆき老母が變死へんしの樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
立出たちいで江戸へ參り候由に付あと追來おひきた何卒なにとぞいま母や弟に對面たいめんいたたく江戸中をさが歩行あるきうちかく仕合しあはせゆゑおとゝが無實のつみおちいる事のいたはしく殊更ことさらはゝは旅籠屋にて病氣の由うけたまはりしにより何卒なにとぞおとゝを助け母に孝行かうかう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
過れば一望の原野開墾年々とし/″\にとゞきて田畑多しこれ古戰塲桔梗きゝやうはら雨持つ空暗く風いたはし六十三塚など小さき丘に殘れり當年の矢叫びときの聲必竟ひつきやう何の爲ぞ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
丁度文平が奥様やお志保の側で盛んに火花を散らして居る間に、丑松は黙つて省吾を慰撫いたはつたり、人の知らない面倒を見て遣つたりして居たのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
花片はなびらいたはるよ、てふつばさづるかと、はら/\ときぬ手巾ハンケチかろはらつて、の一りん薔薇ばらくと、おもいやうにしなつて、せなぢさまに、うへへ、——さかうへへ、とほりのはし
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おつぎはねむをこすりながらしく/\いて與吉よきちよこにして背中せなかたゝいてはいたはりながらいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
六条河原にしてこと/″\く生害に及びなんとなり、益田少将此事をよくしれり、いたはしき事のいたりいたはしきは、此上あるべからず、かやうなる憂事を聞なば、身もあられん物か
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)