“斜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ななめ31.4%
はす31.4%
なゝめ13.1%
なな10.3%
しゃ6.0%
なゝ3.6%
なぞ0.5%
はすか0.5%
しや0.4%
ゆがみ0.4%
かたぶ0.2%
すじ0.2%
すじか0.2%
すじかい0.2%
なぞえ0.2%
0.2%
はすかい0.2%
はすかひ0.2%
はすっ0.2%
はすつ0.2%
よこ0.2%
ナナ0.2%
ハス0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
台所の流槽ながしの傍に女がむこうななめに立って、高くあげた右の手に黒い長い物をだらりとさげていた。登はなんだろうと思って注意した。
雑木林の中 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
京の女中のは、黒繻子の帯をキチンとはすかいに立てに結んだものが、大阪は両端を少しだらりと下げておったように覚えております。
女の話・花の話 (新字新仮名) / 上村松園(著)
眞紅しんくへ、ほんのりとかすみをかけて、あたらしい𤏋ぱつうつる、棟瓦むねがはら夕舂日ゆふづくひんださまなる瓦斯暖爐がすだんろまへへ、長椅子ながいすなゝめに、トもすそゆか
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いつも、がたが、ななめにここへすころ、淡紅色たんこうしょくちいさなちょうがどこからともなくんできて、はなうえまるのでした。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一眼の悪いせいか、鬱陶うっとうしげに、やや顔をしゃにして物をいうのも、正成の癖である。濃い眉毛と、高い隆鼻が、横顔では、よけい目立つ。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平次の聲ははずみました。お勝手の外、日蔭の柔かい土の上に、なゝめにめり込んだ、梯子の足特有の跡が印されてゐるではありませんか。
ややなぞへになつた小さな空地のところへさしかかると、いつもはそこに二匹の山羊がつながれてゐるところに、その姿は見えず、その代りに思ひがけず大きな牝牛がひとりで草を食べてゐた。
牧歌:恩地三保子嬢に (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
所が、その日の夕方になって、杉江が二階の雨戸を繰ろうとし、不図はすかいの離れを見ると、そこにはてんで思いも付かぬ異様な情景が現れていた。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ぐつと臂を張つたやうにしやに構へた太い本枝の骨組の勁さ。一気にさつと線を引いたやうに、ながく延び切つたずわえの若々しい気随さ。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
そのさま人ありて行儀ぎやうぎよくつみあげたるごとく寸分のゆがみなし、天然てんねん奇工きこう奇々妙々不可思議ふかしぎなり。
荒芽山あらめやま畔路はんろふたまたを成す 馬を駆て帰来かえりきたる日かたぶき易し 虫喞ちゆうしよく凄涼夜月に吟ず 蝶魂冷澹れいたん秋花を抱く 飄零ひようれい暫く寓す神仙の宅 禍乱早くさか夫婿ふせいの家 さいわひに舅姑きゆうこの晩節を存するあり 欣然を守つて生涯を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
何事かを宋江から耳打ちされて、すじ向いの大籬おおまがきの門へ、すうっと、入って行ったものである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子供は燈心をき立てたりするものらしかった。女は襖子の所からすぐすじかいにあたる辺で寝ているらしい。
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
えゝッ今でも金があればと橋の欄干に拳を当てゝ、闇にも浅ましい自分のことは気が附かずに、遊んで居る奴原の横面に唾がしたいほどになり、橋から広小路へすじかいに下りる時
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
夕張の駅は山峡やまかいにある。両側の山のなぞえには炭坑夫の長屋が雛段を見るように幾列も並んでいる。夜、雪の中にこの長屋に灯のついている光景を眺めることは、僕達に旅の愁いを催させたものである。
落穂拾い (新字新仮名) / 小山清(著)
運慶は今太いまゆ一寸いっすんの高さに横へ彫り抜いて、鑿の歯をたてに返すや否やすに、上から槌をおろした。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
池のごとくに澄みきった黄昏たそがれの海に、白帆が一つ、動くともなく浮いている。藤さんの船に違いない。帆のない船はみんな漁船りょうせんである。藤さんが何か考えこんではすかいに坐っているところが想われる。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
蒸気き噴き、はすかひ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あろう事か、あっと頬げたをおさえて退すさる、道学者の襟飾ネクタイへ、はすっかいに肩を突懸つっかけて、横押にぐいと押して
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひとると、かほげて、かたはすつかひにしながら、一息ひといき、ばた/\、ばツと團扇うちはたゝく。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わきに置いた主人の雪踏せったとお嬢様の雪踏と自分の福草履三足一緒に懐中ふところへ入れたから、飴細工の狸見たようになって、梯子をあがろうとする時、微酔機嫌ほろよいきげんで少し身体がよこになる途端に
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
聞説キクナラク。貴下ハ先頃、稀代キタイナ宝刀ヲ入手セラレシ由。武人ノ御心ガケ神妙ナリト、高大尉コウダイイ閣下ニオカセラレテモ、御感ギョカンナナメナラズ、マコトニ御同慶ニ堪エナイ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
赤と黄のハスの染分け・白に青の先が切れ込んだの・赤白青の縦の三色——この三旗はそれぞれにO・A・T羅馬ローマ字を示し、O・A・Tはここに一つの意味を綴る。