“彈”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
はず39.5%
はじ27.9%
20.2%
2.3%
はぢ1.6%
たま1.6%
はづ1.6%
0.8%
たん0.8%
だま0.8%
だん0.8%
はね0.8%
ひき0.8%
ひく0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
漸く神輿みこしをあげた平次ですが、外の風に當るとはずみがついて、まだ晝をあまり廻らぬうちに、加州樣下屋敷隣の百草園に着きました。
算術の最も易い寄せ算をするにしても、散る氣でもつて運算して居たら、桁違をしたり、餘計なたまはじき込んだり仕さうな事である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
しかし、それは決して人の好いものではない。彼女はピアノをいた。その手並てなみは鮮かだつた。彼女は歌つた。その聲は立派だつた。
そして、有馬の子供にも與へたのを、渠等がちひさい手でその皮をじき取り、その中身をうまさうに喰つてゐる樣子を見て、義雄も自分の子供であつた無邪氣の時代のことを思ひ浮べた。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
顫へてゐる私の眼の前には白い蛾のこなのついた大きなてのひらと十本の指の間からぢつと睨んでゐる黒い眼、………蠶の卵のはぢく音、繭を食ひ切る音、はづんだ生殖のふる
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
黒地くろぢに畫ける像の如し。座のめぐりには、新き炭を添へて、その煖氣は室に滿ちたり。われは客の、たまは脇を擦過かすりたり、いさゝかの血を失ひつれど、一月の間には治すべしといふを聞き得たり。
と、おたがひ微醺びくんびてへんはづつた氣分きぶん黄包車ワンポイソオり、ふたゝ四馬路スマロ大通おほどほりたのはもうよるの一ぎだつた。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
近子はちよいと嫌な顏をして、「それでも貴方あなたうかするとれツて有仰おつしやることがあるぢやありませんか。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
昌黎しやうれいまこととせず、つまびらか仔細しさいなじれば、韓湘かんしやうたからかにうたつていはく、青山雲水せいざんうんすゐくついへ子夜しや瓊液けいえきそんし、寅晨いんしん降霞かうかくらふ。こと碧玉へきぎよく調てうたんじ、には白珠はくしゆすなる。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
生温かい小春日和びより、午後の陽は縁側に這つて、時々生き殘つたあぶだまのやうに飛んで來る陽氣でした。
「聽いたよ、福井町のじやうだんらうといふ評判のよくない浪人者が、脇差で胸を突かれて死んでゐたんだつてね。——恐しく腕の出來る浪人者だといふぢやないか、茶汲女や守りつには殺せねえよ」
老爺は少しよろめいたが、ウムと踏張ツたので、學生は更にはねツ返されて、今度は横つ飛に、片足で、トン、トンとけし飛ぶ……そして壁に打突ぶツつかツて横さまに倒れた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
極め甚右衞門外兩人の者も其の夜は寺にとまりける此日は三月節句の事なれば村方むらかた所々じよ/\にて宵の中は田舍唄ゐなかうた又は三味線などひきて賑ひ名主九郎右衞門方へも組頭くみがしら佐治右衞門周藏しうざう忠内ちうない七左衞門等入來いりきたり座頭に儀太夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とげ翌朝泉岳寺へ引取けるに大勢の見物は雲霞うんかの如く忽ち四方に評判聞えけりこゝに庄左衞門がいもうと美麗びれいにして三味線みせんなどよくひくゆゑ品川の駿河屋何某のもとへ縁付けるに庄左衞門が父十兵衞は古稀こきに近くこしは二重に曲居まがりゐるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)