“顫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふる90.5%
おのの4.3%
わなな2.4%
ふるは0.6%
ふるへ0.6%
ふるえ0.2%
ぶる0.2%
わな0.2%
をのゝ0.1%
うご0.1%
おのゝ0.1%
0.1%
ふるい0.1%
ふるひ0.1%
ふるわ0.1%
わなゝ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、その時、「うーん」とかすかに唸る声が聞えましたので、はっとして夫人を見ますと、眼球が不規則に動いて、唇がふるえました。
印象 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
そして再び身慄みぶるいに襲われた。なぜならば、ろうやかに化けた女狐めぎつねのように——草の根におののいていた女は、野で見るには、余りに美しい。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
を合せて、拝むまねをした。天狗さま天狗さまを、呪文じゅもんのように繰返して唱えながら、一人一人の影を拝んで、恐れわななく振りをした。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜の箱根の緑のやみを、明るい頭光ヘッドライトを照しながら、電車は静かな山腹の空気をふるはして、轟々と走りつゞけたかと思ふと直ぐ終点の強羅に着いてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ハヾトフは此時このとき少計すこしばかけて室内しつないのぞいた。イワン、デミトリチは頭巾づきんかぶつて、めう眼付めつきをしたり、ふるへあがつたり、神經的しんけいてき病院服びやうゐんふくまへはしたりしてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ハバトフはこのときすこしばかりけて室内しつないのぞいた。イワン、デミトリチは頭巾ずきんかぶって、みょう眼付めつきをしたり、ふるえあがったり、神経的しんけいてき病院服びょういんふくまえわしたりしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
万次——弱そうな色悪いろあくの万次は、胴ぶるいしながらこんなことを言うのでした。よくよくお滝にはりた様子です。
わななくいとにふれもせば
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
更にまた一夜に百金を散じた昔の榮華を思出してうゑやまひとにをのゝきながら斃れた放蕩息子のらむすこはてもあツたらうし
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
難関あるべしとはしながら思いしよりもはげしき抵抗に出会いし母は、例の癇癖かんぺきのむらむらと胸先むなさきにこみあげて、額のあたり筋立ち、こめかみうごき、煙管持つ手のわなわなと震わるるを
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
永冷ひようれい歯に徹し、骨に徹し、褞袍どてら二枚に夜具をまで借着したる我をして、あごを以て歯を打たしむ、つひに走つて室に入り、夜具引きかづきて、夜もすがら物のに遇ひたる如くにおのゝきぬ。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
放し飼いにした伊那駒が、秋天高く馬肥える、今日この頃の野のように、長いたてがみるわせて、さも勇ましく駆けている。秋にふさわしい光景ながめである。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
冷たいあざけりを含んだ声がふるいを帯びて聞えて来た。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あなや、またぎやくはてふるひして
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夜の箱根の緑のやみを、明るい頭光ヘッドライトを照しながら、電車は静かな山腹の空気をふるわして、轟々ごうごうと走りつゞけたかと思うと直ぐ終点の強羅に着いていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼等の頭を地につかしめよ、無慈悲の斧の刃味の好さを彼等が胸に試みよ、惨酷の矛、瞋恚しんいの剣の刃糞と彼等をなしくれよ、彼等がのんどに氷を与へて苦寒に怖れわなゝかしめよ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)