“顫慄”の読み方と例文
読み方割合
せんりつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雄のささきりは上の方の青い葉と茎の間に、逆さになってとまり、はね顫慄せんりつさせ乍ら雌を呼んでいた。風のない、静かな曇日の小さなラブ・シイン。
暗い内庭のなかほどに佇んで、出て来た建物をふりかえり、明るい大窓の中をまだ黒く動いている列の影を見たとき、伸子は深い顫慄せんりつにおそわれた。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
緑の小枝、緑の小枝、どんな季節の一日に、泉の面にその枝さきをひたすだろうか。枝のさきからしみわたる水の心地よさ。葉末葉末につたわって、すこやかな幹を顫慄せんりつさせる泉の深い感応。