“光景”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ありさま42.1%
こうけい21.5%
さま9.2%
くわうけい9.2%
けしき5.1%
シーン4.6%
ようす4.1%
きみ0.5%
けはい0.5%
たたずまい0.5%
ながめ0.5%
みつかげ0.5%
もの0.5%
やうす0.5%
キイド0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
にん一人ひとりずつその屋台やたいまえって、ちいさなあなをのぞいてみました。すると、それには不思議ふしぎな、ものすごい光景ありさまうごいてました。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、わたしは、いつ東京とうきょうへいって、そのにぎやかな光景こうけいられるだろう?」と、びっこのむすめは、ひとりでためいきをもらしたのでした。
日がさとちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
後に成って、反って大塚さんは眼に見えない若い二人の交換とりかわす言葉や、手紙や、それから逢曳あいびきする光景さままでもありありと想像した。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わたくしと、日出雄少年ひでをせうねんと、ほか一群いちぐん水兵すいへいとは、りくとゞまつて、その試運轉しうんてん光景くわうけいながめつゝ、花火はなびげ、はたり、大喝采だいかつさいをやるつもりだ。
成程左様さう言はれて見ると、少許すこしも人をおそれない。白昼ひるまですら出てあすんで居る。はゝゝゝゝ、寺のなか光景けしきは違つたものだと思つたよ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すると急に突飛な光景シーンが、津田の頭の中に描き出された。同時に変な妄想もうぞうが、今呑んでいる煙草の煙のように、淡く彼の心をかすめて過ぎた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぶるぶるとしてハッと気が付くと、隊の伍長のヤーコウレフが黒眼勝のやさしい眼で山査子さんざしあいだからじっ此方こちらを覗いている光景ようす
されども文三が死だ気になって諸事おるされてで持切ッているに、お政もスコだれの拍子抜けという光景きみで厭味の音締ねじめをするように成ッたから、まず好しと思う間もなく
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
奥座敷へ入ッて聞いていると、やがてお鍋がお勢のそばまで来て、ちょいと立留ッた光景けはいで「お待遠うさま」という声が聞えた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そういう戸外そと光景たたずまいをじっと眺めて居るうちに私は悲しくなりました。そして恐ろしくなりました。何んの理由も無かったのです。けれど私は夫れで窓にすがってしくしく泣いたのでございますわ。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
放し飼いにした伊那駒が、秋天高く馬肥える、今日この頃の野のように、長いたてがみるわせて、さも勇ましく駆けている。秋にふさわしい光景ながめである。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その人たちというのは、山高信離やまたかのぶあきら、山本五郎、納富介次郎のうとみかいじろう松尾儀助まつおぎすけ、大森惟中いちゅう塩田真しおだまこと、岸光景みつかげ等十人足らずの諸氏でありました。
あんな光景ものを見なければよかった。今夜まで何も知らずに寝ていたらドンナにか気楽でよかったろう。明日あすの朝起きてみたら、皆騒いでいる。材木置場おきばで可愛い娘が絞殺しめころされている。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
するとかたはらから、またその光景やうすむすめふのには、「その巡査おまはりさんがね、洋刀サアベルを、カチヤ/\カチヤ/\ゆすぶつてわらつてた。」とします。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんともすさまじい享楽と騒擾そうじょうの一大総合場面——バグダットの朝市場ほどさわがしく、顛狂院の宴会できちがいの大群が露西亜ロシアバレイを踊ってるほどにも奔流的な光景キイドを呈するのが