“さま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サマ
語句割合
27.6%
23.5%
12.0%
8.4%
6.7%
4.6%
4.2%
2.4%
光景2.1%
1.7%
状態0.6%
0.4%
現象0.4%
左迄0.2%
体裁0.2%
冷却0.2%
姿0.2%
様子0.2%
樣子0.2%
狭間0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
実相0.1%
彷徨0.1%
皇后0.1%
0.1%
0.1%
佐間0.1%
0.1%
光影0.1%
冷評0.1%
0.1%
0.1%
実状0.1%
左摩0.1%
左馬0.1%
形状0.1%
0.1%
情態0.1%
情状0.1%
挟間0.1%
有様0.1%
様相0.1%
模様0.1%
病態0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いわんや酒を飲みたることなきは勿論、婦人に戯言ざれごとを吐きたることなきは勿論、遊廓などに足蹈みしたるさまは一向に見受け申さず候。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ここに一例としてインド産のピゾン一種人にるるさまを示す(図略す)。これは身長二丈余に達する事あり。英人のいわゆる岩蛇ロック・スネークだ。
七子の羽織に仙臺平のりうとした袴、太い丸打の眞白な紐を胸高に結んださまは、何處かの壯士芝居で見た惡黨辯護士を思出させた。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
婆さんもその物音に目をさましました。そして起きて戸を開けてみますと、吃驚びつくりして、思はずアッと言つて、尻餅しりもちくところでした。
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
何時間ったのか、何日経ったのか、一郎次には分りませんでした。ふと、目をさますと、自分は、立派な御殿の中に寝ていました。
三人兄弟 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
微月うすづきに照されて竹の幹にそうて立っていた、可憐かれんな女のさまを浮べると、伯父に対するうらみも、心の苦痛も、皆消えてしまって、はては涙になってしまった。
倩娘 (新字新仮名) / 陳玄祐(著)
そのかは小六ころくさん、はゞかさま座敷ざしきてて、洋燈ランプけて頂戴ちやうだいいまわたしきよはなせないところだから」と依頼たのんだ。小六ころく簡單かんたん
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それが一合あれば砂糖を適宜に加えて火にかけて水に漬けたゼラチン四枚を入れてさまします。乾杏ほしあんずの煮たのを汁ともに固めても出来ます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
声のない気合い、張りきった殺剣さつけんの感がどこからともなくただよって、忠相は、満を持して対峙たいじしている光景さまを思いやると、われ知らず口調が鋭かった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ヂュリ れぢゃぶは? かゝさまからぬ。おそうまでねぶらいでか、はやうからさましてか? 何事なにごとがあって、えたやら?
心労の結果ヒドイ腎臓病と神経衰弱に陥って寝てばかりいる状態さまは、他所よその見る目も気の毒な位であったが、しかし次男坊の一知は、そんな事を夢にも気付かないらしく
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さまさせまゐらせんといへるを、赤穴又かしらりてとどめつも、さらに物をもいはでぞある。左門云ふ。既に九〇夜をぎてし給ふに、心もみ足もつかれ給ふべし。
龍華寺りようげじ信如しんによしゆう修業しゆげうには立出たちいづ風説うわさをも美登利みどりえてかざりき、あり意地いぢをばそのまゝにふうめて、此處こゝしばらくのあやしの現象さまれをれともおもはれず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れば現時の米国海軍——其軍人は左迄さまで勇壮ならざるべし。多くの雇兵より成れる陸軍は敢て恐るゝに足らざるべし。
警戒すべき日本 (新字旧仮名) / 押川春浪(著)
真に罪無き雑話を下物さかなに酒も過ぎぬほど心よく飲んで、下卑げび体裁さまではあれどとり膳睦まじく飯を喫了をはり、多方もう十兵衞が来さうなものと何事もせず待ちかくるに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
御膳汁粉ごぜんじるこふのが普通なみ汁粉しるこで、それから紅餡べにあんふのがある、これ白餡しろあんなか本紅ほんべにれただけのものぢやが、口熱こうねつ冷却さますとかまうす事ぢや、それ塩餡しほあんふのがある、これべつせいすのではない
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
木のきしる音、もど姿さま、また撓む姿、軋る音、今にも傾覆くつがえらんず様子に、あれあれ危し仕様はなきか、傾覆られては大事なり、止むるすべもなきことか、雨さえ加わり来たりし上周囲まわりに樹木もあらざれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
末は何となる身ぞ、両親ありながら大目に見てあらきことばをかけたる事も無く、楼のあるじが大切がる様子さまも怪しきに、聞けば養女にもあらず親戚しんせきにてはもとより無く、姉なる人が身売りの当時
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すゑなにとなるぞ、兩親れうしんありながら大目おほめてあらきことばをかけたることく、ろうあるじ大切たいせつがる樣子さまあやしきに、けば養女やうぢよにもあらず親戚しんせきにてはもとよりく、あねなるひと身賣みうりの當時たうじ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ちかぢかと城の狭間さまより見おろしてこずゑの合歓ねむのちりがたの花
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ともかく、いくらか太刀打ちできたのは郡山千冬で、この男も、五日でも十日でも目をさましている限りは酒をのんでいられる。しかし酒量に於ては田中の半分には達しない。
狐などのしわざにやと思へば、かく荒れ果てぬれどもと住みし家にたがはで、広くつくせし奥わたりより、はしの方、稲倉いなぐらまで一一七好みたるままのさまなり。
二六稀有けうの物がたり聞えまゐらせんとて、の人々の二七あるさまを見よ。我が詞に露たがはじといふ。
送るさま側眼わきめで見てさへ不便ふびんなるに子の可愛かあいさの一筋に小半年ほどすごせしが妻のお久が病中より更に家業も成ぬ上死後しご物入ものいり何ややに家財雜具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
忍び今の身の敢果はかなきさまかこちつゝ如何いかなる因果と泣沈なきしづむにぞ文右衞門はかたちたゞしコレお政其方は何とて其樣に未練みれんなることを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
平家の門閥もんばつが、民をかえりみるいとまもなく、民の衣食を奪って、享楽の油に燃し、自己の栄耀えようにのみ汲々きゅうきゅうとしている実相さまが、ここに立てば、眼にもわかる。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神護建立じんごこんりゅう勧進かんじんのため、院の御所へ踏み入って、折から、琵琶びわや朗詠に酒宴さかもりしていた大臣おとどどもに、下々しもじもの困苦ののろい、迷路のうめきなど、世の実相さまを、一席講じて、この呆痴輩たわけばら一喝いっかつした所
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蕭条しょうじょうと荒れ果てた灰色の野の中を、真黒い外套と共に、あてもなく彷徨さまよっている中田の顔は、世にもすさみ切った廃人のそれであった。
自殺 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
何時間かの間この荒野を彷徨さまよい、狂人の奇怪な幻想の数々を、如何にも感心しながら聞いていたのか、と思うと何んともいえぬ莫迦莫迦しい腹立たしさを感じたのであった。
自殺 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
実は奥方様、あの男は、カタリナ皇后さまから、アレウート号の船長に任命されて、このラショワ島にある黄金郷エルドラドーの探検を命ぜられたのです。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかし、それを見て父はあまりの驚きに狂ってしまったのでしたが、グレプニツキーは翌年本土にもどって、その旨をカタリナ皇后さまに言上したそうです。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
綾を織る人の世のさま
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
綾を織る人の世のさま
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我を誘ひ出して酒店さかみせに至り、初め白き基督涙號ラクリメエ、クリスチイを傾け、次いで赤き「カラブリア」號を倒し、わが最早え飮まずといなむにおよびて、さらば三鞭酒シヤンパニエもて熱をさませなどいひ、よろこびを盡して別れぬ。
車力しゃりきは「残念ですなア。かたきをにがしてしまって……常陸丸ひたちまるではこの近辺きんぺんで死んだ人がいくらもあるですぜ。佐間さまでは三人まであるですぜ」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
民も又戦国の民なれば、一三六すきててほこへ、一三七農事なりはひをこととせず。士たるもの枕を高くしてねむるべからず。今のさまにては長く不きうまつりごとにもあらじ。
樹と樹との間には、花園の眺めが面白く展けて、流行を追う人々の洋傘こうもりなぞが動揺する日の光の中に輝く光影さまも見える。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
紅屋で振舞った昨夜ゆうべの酒を、八郎が地酒だ、と冷評さましたのを口惜くやしがって、——地酒のしかも「つるぎ」と銘のある芳醇ほうじゅんなのを、途中で買って、それを角樽つのだるで下げていたのであるから。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僕は一本の巻煙草まきたばこを呑み切ったあとでまた整理にかかった。今度は作のためにわれ一人いちにんの世界をさまたげられるおそれなしに、書架の二段目を一気に片づけた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「わたしは、おまえさんから、そのおどりをならいたいのですから、そんな、気兼きがねはすこしもいりません。」と、おさまさまはこたえられました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『どう仕りまして、赤穂の者共の悲惨な実状さまを見て来た眼には』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また一族では、甥の鬼五郎助高をはじめ、鳥屋とや彦七、宇田川義直よしただ左摩さま大八、荒木宗行むねゆき、それに家職の車尾丹玄くるまおたんげんなどを加えても十五人にみたなかった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左馬さまかみをさずけられ、三河の一部と遠江一国を。
その形状さま花のふゞきと見んはおろか也。
それはいつだったか、泌尿病院を捜してさまい歩いた時、そこにさる所の広告がぶら下っていたことを急に思い出したからである。そうだ、あれを目印にして下りて行けばいいと彼は自分に云った。
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)
殘りし男の負傷けがはさしたる事ならねど、若きに似合ぬ意氣地なしにて、へた/\と弱りて起つべき勢ひもなく、半分は死にたるやうな哀れの情態さま、これを見捨る事のならぬ老爺が
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
祝はそこで指輪を出して少女の情状さまを話した。
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それから跣足はだしになつて、かゝへられるやうにしてくだつて、また、老樹らうじゆ大巌おほいは挟間さまひだりに五だん白樺しらかば巨木きよぼくした南祖坊なんそばうだうがあつた。みぎに三だん白樺しらかば巨木きよぼくしたに、一龍神りうじんほこらがあつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
上海しやんはいのもろもろの様相さま人の世のなりのままなるものとこそ思へ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
かゝしやま/\と悲鳴を揚げつゝ竹矢来の外へ引かれ行けば、並居る役人も其の後よりゾロ/\と引上げ行く模様さま、今日の調べはたゞ初花太夫一人の為めなりし体裁ていたらくなり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その病態さま世の常ならず。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「この国のあらん限り、世のさまはどう変ろうと、剣の道——ますらおの精神こころの道が——無用な技事わざごとになり終ろうか」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少女おとめはそれをて、ゆめかとばかりよろこんで、これをひろいあげました。それは、いつかにわえておいたはなとまったくおなじでありました。彼女かのじょは、そのはな接吻せっぷんしてさまさまにおれいもうしました。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『むかしは花の精、さるからに凝りき。今は花の、さればうつろなり。しばし聚りて形を為せども、こを真とな見たまひそ。ただ夢寐ゆめうつゝさまを成せるのみ。』
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
『假に中學生にしたところで、態々人から借りて呉れてやつてさまされるより、此方こちとらなら先づ寢酒でも飮みますな。』
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
足利末にできた『舞曲口伝』には、「この曲は天竺の楽なり。婆羅門バラモン伝来なり。一説。沙門仏哲これを伝ふ。唐招提寺にありと云ふ。また后嫉妬しっとさまといふ」
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「おやすみをさまたげてはならぬ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)