“憚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はばか71.6%
はゞか15.7%
はば7.8%
はゞ2.2%
はばかり1.1%
はゞかり0.8%
ハバカ0.2%
おそろし0.1%
ははか0.1%
はばから0.1%
はゞは0.1%
はヾか0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
憚(はばか)りながらお角さんのカクが違いますよ、蓋をあけたら正味を見ていただきましょう、正銘手の切れる西洋もどりのいるまんですよ。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
然れども我劇にて行はるゝ舞蹈は、断じて劇的のものにあらずと言ふを憚(はゞか)らず。之を美術の他の部門に分つ上は一種の特技なるべし。
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
敬太郎は現代に教育された青年の一人として、こういう意味の言葉を、年長者の前で口にする無遠慮を憚(はば)かるほどの男ではなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今日は御葬り下され御回向(ゑかう)に預(あづか)りしことの有難く御蔭(かげ)にて未來(みらい)を助かりますにより憚(はゞ)かりながら是より其報恩(はうおん)に御前樣の蔭身(かげみ)に添て何卒御立身出世(りつしんしゆつせ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小六にもちょうどそれと同じ憚(はばかり)があったので、いられる限(かぎり)は下宿にいる方が便利だと胸をきめたものか、つい一日一日と引越を前(さき)へ送っていた。
門 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その名を斥(さ)さんは憚(はゞかり)あれど、同郷人の中に事を好む人ありて、余が屡〻(しば/\)芝居に出入して、女優と交るといふことを、官長の許(もと)に報じつ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
郎女たちの居る女部屋(ヲンナベヤ)までも、何時(イツ)もづか/″\這入(ハヒ)つて来て、憚(ハバカ)りなく古物語りを語つた、あの中臣志斐媼(ナカトミノシヒノオムナ)——。あれと、おなじ表情をして居る。其も、尤(モツトモ)であつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
警察の憚(おそろし)い旦那方の前で、小さくなって何を聞いてもおどおどして自分の思っている事の半分も、口に出せなかった。
雪 (新字新仮名) / 楠田匡介(著)
彼女は、藻抜(もぬ)けの殻(から)の寝台の上に身を投げかけると、あたり憚(ははか)らずオンオン泣き出した。その奇妙な泣き声に駭(おどろ)いて、婦長が駆けつけてくる。朋輩(ほうばい)が寄ってくる。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
平岡はその時顔の中心に一種の神経を寄せていた。風が吹いても、砂が飛んでも、強い刺激を受けそうな眉(まゆ)と眉の継目を、憚(はばから)ず、ぴくつかせていた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
憚(はゞは)り乍ら磯の安松、三尺高い木の上から小唄の良い喉(のど)を海の向うの房州の阿魔つ子に聽かせてやり度えくらゐのものだ
此消息(このせうそく)は人目(ひとめ)の關(せき)の憚(はヾか)りもなく、玉簾(たまだれ)やすやす越(こ)えて、見(み)るは邂逅(たま)なる令孃(ひめ)の便(たよ)りを敏(さとし)は日毎(ひごと)に手(て)に取(と)るばかり、事故(よし)ありげなる心(こヽろ)の底(そこ)も、此處(こヽ)にはじめて朧々(おぼろ/\)わかれば
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)