“尤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もっと61.5%
もつと24.7%
もっとも6.5%
もつとも2.6%
とが2.3%
ゆう1.5%
モツトモ0.2%
もっ0.2%
いと0.1%
とがむ0.1%
もツと0.1%
いう0.1%
えら0.1%
はなは0.1%
もつ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて、これはこれでよいとして、こう書いて来た順序として何かもっともらしいことを云って、この茶話のしめくくりをつけたいものだ。
今昔茶話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もつとも信心の衆は、加持祈祷をして貰つたと言つちや金を持つて行く。が、鐵心道人はどうしても受取らねえ。ばちの當つた話で——」
きっとなりてばたばたと内に這入はいり、金包みを官左衛門に打ち附けんとして心附き、坐り直して叮寧ていねいに返す処いづれももっともの仕打なり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
又盲僧・瞽女ごぜの芸、性欲の殊に穢い方面を誇張した「身ぶり芸」も行はれた事が知れる。もつとも、まじめな曲舞なども交つてゐたに違ひない。
「三十而立塩田子。言行寡尤徳惟馨。」〔三十ニシテ立ツ塩田子/言行とがすくなク徳かおル〕随斎はその時二十八歳であったのである。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
歴史のタチバナは百果のゆうなるものと称えられて誰れも異論が無かったゆえに、これをモデルにその功労を思召して橘姓も賜わったのだ。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
あの円満ウマビトが、どうしてこんな顔つきになるだらう、と思はれる表情をすることがある。其オモもちそつくりだ、とモツトモらしい言ひ分なのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
もっとも下男は給銀を取るが、昌平はときたまのみ眼脂めやにほどの小遣を貰うだけだから、実質的には下男に及ばなかったかもしれない。
七日七夜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一八六四年版、ピエロッチの『パレスタイン風俗口碑記』に、アラブ人が馬を愛重する有様などをいと面白く書いた。とても拙毫せつごうの企て及ぶところでないが、その概略を左に訳出しよう。
今は疑ふべくもあらず、彼はまさしく人目を避けんと為るなり。すなはち人を懼るるなり。故は、自らとがむるなり。彼は果して何者ならん、と貫一はいよいよ深く怪みぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あつ時分じぶんぢやが、理屈りくつをいふとうではあるまい、わしいたせいか、婦人をんな温気ぬくみか、あらつてくれるみづいゝ工合ぐあひみる、もツとたちみづやはらかぢやさうな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
美濃の蜂須賀、稲田、近江の日比野、長江、下総の勾坂こうさか、信濃の滝川などはそのいうなるもので、各地の大小名に招聘され、ふしぎな働きをしてみせた。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
馬「木地きじで化粧なしで綺麗だから、何うも得て何処か悪いとこの有るもんだが、こりゃア疵気きずけなしのえらい玉で」
二に曰く、あつく三宝を敬へ、三宝はほとけのりほふしなり、則ち四生よつのうまれつひよりところ、万国の極宗きはめのむねなり。いづれの世何の人かみのりを貴ばざる。人はなはしきものすくなし、く教ふるをもて従ひぬ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
すゝみ申樣天一坊樣御身分の儀は只今たゞいまの書付にてくはしく御承知ならんが御腹の儀御不審ふしんもつともに存候されば拙者より委細ゐさい申上べしそもたう將軍樣紀州きしう和歌山わかやま加納將監方かなふしやうげんかたに御部屋住にて渡らせ給ふせつ將監しやうげんさい召使めしつか腰元こしもとさはと申婦女ふぢよ上樣うへさま御情おんなさけかけさせられ御胤を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)