“婦人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おんな44.0%
ふじん25.3%
をんな17.5%
ひと6.0%
おなご3.0%
かた1.2%
たぼ0.6%
ぶじん0.6%
むかふ0.6%
もの0.6%
ダーム0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はたと、これに空想の前途ゆくてさえぎられて、驚いて心付こころづくと、赤楝蛇やまかがしのあとを過ぎて、はたを織る婦人おんな小家こいえも通り越していたのであった。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これも、えら婦人ふじん傳記でんきとほり、著者ちよしや讀者どくしや婦人ふじんだといふことは、かならずしも、書物しよもつよりも推奬すゐしやうすべき理由りいうにはなりさうもない。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
今日こんにちは、」と、こゑけたが、フト引戻ひきもどさるゝやうにしてのぞいてた、心着こゝろづくと、自分じぶん挨拶あいさつしたつもりの婦人をんなはこのひとではない。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いや、もっと私の心がかきみだされることは美しい婦人ひとを見る時であった。街なんかで洋装の素晴しいひとに会うと彼の妻でないかと思う。
四年のあいだのこと (新字新仮名) / 久坂葉子(著)
(殿、ふと気紛きまぐれて出て、思懸おもいがけのうねんごろ申したしるしじゃ、の、殿、望ましいは婦人おなごどもじゃ、何と上﨟じょうろうを奪ろうかの。)
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それではこの家はチイズ附のパンを食べるやうに仰しやつた、時計をつけた、あの背の高い婦人かたぢやないの。」
このあたりとて、道者宿、木賃泊りが無いではない。要するに、容子ようす婦人たぼが居て、ゆうべをほの白く道中を招く旅籠では、風体のかくの如き、君を客にはしないのである。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婦人ぶじんのために心思しんしを奪われ残余の生を無益の悲哀のうちに送るは情は情なるべけれどもこれ真正の勇気にあらず、基督教は情性を過敏ならしむるが故に悲哀を感ぜしむるまたしたがって強し
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
婦人むかふは『イヽエ、よねではありません、米は最早もう死んで仕舞ひました、是れは迷つてる米の幽霊です』と云つてかほをそむけて仕舞しまつたさうです、兼吉の言ひますに
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
小六のはだは白かりき。色の黒き婦人ものにては、木戸にるが稀なりとて、さる価をぞ払いしなる。手品師はせんずるに半ば死したる小六の身のそのうつくしくつややかなりし鳩尾きゅうび一斤の肉を買いしなり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ヴェーシェたちの肌着がきれいなように、とくべつ注意を払って、『かならず皆の肌着によく気をつける、しっかりした婦人ダームをおかなけりゃならない』