“をんな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヲンナ
語句割合
51.0%
13.4%
婦人11.5%
4.7%
女子4.3%
2.8%
婢女2.4%
女性2.4%
情婦1.2%
婦女1.2%
侍婢1.2%
女人1.2%
下婢0.8%
0.4%
0.4%
寡婦0.4%
少婦0.4%
閨秀0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なにをとこころすなぞは、あなたがたおもつてゐるやうに、たいしたことではありません。どうせをんなうばふとなれば、かならずをとこころされるのです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そはもし衣にだにもさはらばいえんとおもへばなりイエスふりかへりをんなを見て曰けるはむすめよ心安かれ爾の信仰なんぢを愈せり即ち婦この時よりいゆ
忘れがたみ (新字新仮名) / 原民喜(著)
折角柔かい乳房を持ちながら、男のやうな硬い考へ方をする婦人をんながある。正直な農夫ひやくしやうめ、そんなのを見たら、どんなに言ふだらう。
「岡場所のドラ猫見たいなをんなの頬ぺたを舐めるんぢやねえ、これでも佛樣だ。誰が笑ふものか、安心してやつて見な」
私さう申すと何で御座いますけれど、これでも女子をんなにしては極未練の無い方で、手短てみじかに一かばちか決して了ふがはなので御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わたしはその癇高いを聞きながら、埃にまみれた草鞋の紐を解いた。其処へをんなが浅いたらひに、洗足の水を汲んで来た。水は冷たく澄んだ底に、粗い砂を沈めてゐた。
槍ヶ岳紀行 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何も表向き実家の悪るいを風聴ふうちやうなされて、召使ひの婢女をんなどもに顔の見られるやうな事なさらずとも宜かりさうなもの
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひだり脇腹わきばらのあたりにすわりました、女性をんなひざは、寢臺ねだいふちと、すれ/\のところに、ちうにふいと浮上うきあがつてるのですよ。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『彼奴の情婦をんなにしちや、すこし年寄りだな』、それから二日たつた日、他の水兵達は彼の後姿を笑ひながら、さういつた。『けれど、馬鹿に仲が善ささうだな』
與之助が立身の機は一度うしなひて又の日の量り難きに、我れはいさゝかも優しく脆ろく通常なみ一とほりの婦女をんな氣を出だすべからず、年來馴れたる中のたがひに思ふ事も同じく
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よしや良人が芸者狂ひなさらうとも、囲い者して御置きなさらうともそんな事に悋気りんきする私でもなく、侍婢をんなどもからそんなうわさも聞えまするけれどあれほど働きのある御方なり
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そも女人をんなは、一だい五千くわん、七千餘卷のどのきやうにもほとけになれないときらはれてゐるが、法華經ほけきやうばかりには女人によにんほとけになると説かれてゐる。
ムヽウわたし随分ずゐぶんをとこですな。近「ウン……。梅「わたしくらゐ器量きりやうつてゐながら、家内かない鎧橋よろひばし味噌漉みそこしげてつた下婢をんなより悪いとは、ちよいとふさぎますなア。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
吾儕は車の上から街道を通る若い男やをんなの群に逢つた。その頬の色を見たばかりでも南伊豆へ來た氣がした。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
堅く閉てはやたる樣子也やうすなり然れども此所をおこして尋ねずばいづれにも尋ぬる方あるまじと思ひ門の戸をたゝきて呼起よびおこすに未だ内には寢ざるにや年寄たるをんなの聲にて應と言て門の戸をあけ友次郎の顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
無理もないと思ひつゝも、智恵子の心には思ひもかけぬ怪しき陰翳かげがさした。智恵子は心から此哀れなる寡婦をんなに同情してゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
柿田が階下したへ薬の瓶などを取りに行つて来ると、内儀かみさんは神経質らしい眼を光らして居ることもある。そして、何か斯う待受けて居たかのやうに、無心に潮紅する少婦をんなの表情を読まうとした。
死の床 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
これがかの夕日ゆうひもり名高なだかく、としわか閨秀をんな樂師がくしのなれのはてであらうとは!
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)