“遮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さえぎ70.0%
さへぎ14.3%
さえ6.4%
しゃ4.1%
さへ2.0%
0.6%
さまた0.6%
さえざ0.5%
さまたげ0.3%
0.3%
さえぎら0.2%
ささ0.2%
しや0.2%
とざ0.2%
とど0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はたと、これに空想の前途ゆくてさえぎられて、驚いて心付こころづくと、赤楝蛇やまかがしのあとを過ぎて、はたを織る婦人おんな小家こいえも通り越していたのであった。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さくらうらを、ぱつとらして、薄明うすあかるくかゝるか、とおもへば、さつすみのやうにくもつて、つきおもてさへぎるやいなや、むら/\とみだれてはしる……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちかける葉子は彼の体に寄って来た。別れのキスでもしようとするように。庸三はあわてて両手でそれをさえぎりながら身をひいた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
所名ところな辻占つじうらも悪い。一条戻り橋まで来たときだった。供奉ぐぶの面々は急にながえを抑えて立ちどまった。いやしゃ二、み車をまわし初めた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然るに各藩の執政者にして杞憂きいうある者は法を厳にし、戒をきて、以て風俗の狂瀾をさへぎり止めんと試みけれども、遂に如何いかんともする能はず。
そして人々にへられたところで、床の間にあつた日本刀を持出して、抜きかけようとさへした。本統にそんな事のできる自分だとは思へなかつた。
風呂桶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
松の幹が大きくうねって整列していないということは街路樹たる資格をごうさまたげるものではない。
(新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
いつも両側の汚れた瓦屋根かわらやね四方あたりの眺望をさえざられた地面の低い場末の横町よこちょうから、今突然、橋の上に出て見た四月の隅田川すみだがわは、一年に二
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
自分ははるか中空をもつと高い方を何ものにもさまたげられることなく悠々と巨大に傍若無人に吹き抜けて行くのであつた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
額をふせて無言だった。——それには道の中ほどに、大きな榎の木あって逞しい枝を張り、暗くしッとりと日のいろを……空のいろをいていた。——その下に古く易者が住んでいた。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
前に見えるのは悪沢と赤石で、右に近いのは御馴染おなじみの白河内らしい。他は近所にある小山にさえぎられて、残念ながら目に入らない。二時間ほどにして山を下った。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
可悔くやしい可悔い」跣足で飛出して来たお島にささえられながら、おゆうはあば悶踠もがいて叫んだ。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しや二飛込むガラツ八。
空しく結氷にとざされて南海シドニーの郊外に、涙を呑んで故国よりの吉報を待っておる探検隊一行の心中は、実に気の毒に堪えぬではないか
袁紹の追討令で、追手の軍に追われたり、諸城の太守にとどめられたり、さんざんな憂き目に遭ったが、ついに黄河のほとりまで逃げのびて、一しゅうを拾い、からくも江東へ逃げ渡った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)