“しゃ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
23.7%
洒落10.7%
10.1%
9.8%
8.0%
7.7%
5.3%
3.0%
2.7%
2.4%
1.8%
1.8%
1.2%
1.2%
1.2%
1.2%
0.9%
0.9%
0.9%
0.6%
這奴0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
喋言0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
コゼットは白琥珀こはくの裳衣の上にバンシュしゃの長衣をまとい、イギリス刺繍ししゅうのヴェール、みごとな真珠の首環くびわ橙花オレンジの帽をつけていた。
が、大井は黒木綿の紋附のたもとから、『城』同人のマアクのある、洒落しゃれた切符を二枚出すと、それをまるで花札はなふだのように持って見せて
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
滑稽とも悲惨ともいいようのない真面目くさったようすでしゃにかまえ、賭博場カジノ玉廻しクルウビエそっくりの声色で「みなさん、張り方をねがいましょうフェート・ウォ・ジュウ・メッシュウ
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
名人めいじんうらなしゃは、もはやこのまちにはいませんでした。たびからたびへ、わたどりのようにあるうらなしゃは、どこへかいってしまったのです。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ああ、お母さん、ごめんなさい。悲しい顔をなさらないで下さい。私は少し調子に乗っておしゃべりをしてしまいましたね。ばかですね。
聖アンデルセン (新字新仮名) / 小山清(著)
ところで江戸へ運ばれて以来、欲気よくけの多い連中が、しゃ二無二そいつを奪い合ったのでござる。いやこれとてももっともで。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先生は予がこのこうともないしをふか感謝かんしゃせらるるといえども、予の先生にうところ、かえってだいにしておおいしゃせざるべからざるものあり。
しゃという男は、貧乏でありながら酒ばかり飲んでいた。そして、夜よる三ばい位の罰杯を飲まさないと寝ることができないというほどであった。
酒友 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私はしゃがれた声を張りあげて「ゆうかーん、ゆうかーん」と叫んだ。だけどもうその頃になっては誰も夕刊を必要としないといった風に行き過ぎた。
しょうしゃな二階屋があったり、細い粋な露地があったりして、何となくそぞろ心をすかされるようなところだった。
日本橋附近 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
しゃの主目的は的にあてることで、的皮まとがわを射ぬくことではない。人の力には強弱があって等しくないからである。これは古の道である。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
其椀それで粥を一ぱいに茶を三ばい引っかけると充分なもので、それから自分のしゃへ指して帰り道で、ゲ(ゲは徳を施すの意味)を貰うです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
北畠顕家あきいえ軍の鎌倉突破は、いかにも、一しゃ千里に行ったようだが、これには、ほかの助勢じょせいもあったのだ。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水を隔てて南に丘陵の如く横たわる半月山やしゃ山の連嶺も、黒木は多いが相当の距離があるので明るい。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
と、人のすがたには見ながらも、自分も死馬の骨をしゃぶり、野鼠やそを喰い、木の皮、草の根まであさった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何うしても斬首ざんしゅの刑に行わるべきであったのが、何ういう事か三宅へ遠島を仰付おおせつけられましたが、大層改悛かいしゅんの効があらわれ、のちしゃになって、此の三次郎は兄玄道の徒弟となり
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
れも、あの創を目標めじるしにしてしゃつらを覚えておりますのだ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これが支那料理にある貛々かんかんしゃに当たるかも知れない。次は、味噌汁つまりたぬき汁である。
たぬき汁 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
するとしゃがれた女の声がそれに応じた。
鬼火を追う武士 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小供可愛いさの一念から崖道、絶壁の頓着なく、しゃ二に押し登る。
と一ツ叱って、客が這奴しゃ言おうでもたげたを、しゃくったあごで、無言だんまり圧着おしつけて
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ほだっておら、北海道の土になってしまうのやんだな。いつけえりたくなるが判んねえし、今ここをしゃってしめえば、おらはこれ、自分の家というものは、無くなってしまうのだかんな、これ。」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
ここにいれば、これで、一生、誰もしゃれどは言わねえがんな。——天王寺の春吉はるきちらなど皆土地売って行って、今じゃ、けえって来たがっていっちが、ほんでもけえって来ることが出来ねえのだぢゅうでや。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
病気が非常に悪い時でも私が学校から帰るのを待ちかねていて「おしゃしゃんおしゃしゃん」
梟啼く (新字新仮名) / 杉田久女(著)
「こったらしゃッこい水さ、誰が好き好んで飛び込むって! 隠れてやがるんだ。見付けたら、畜生、タタきのめしてやるから!」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「これ」と信玄は不安そうに、「どうせ評定は永くなる。固めの方が肝腎だ。持ち場持ち場へ帰るがいい」足軽大将の居並んだ方へ、くくれた二重顎をしゃくって見せた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こいつ怪しいと眼を付ければ、寸の詰まった道中差し、こじりに円味の加わったは、ははあ小野派一刀流で、好んで用いる三しゃ作り! ふふんこいつ贋物にせものだな! ビーンと胸へ響いたものよ。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「よく喋言しゃべるやつだな。……して見ると、その杉の市という按摩はちょっと小悧口こりこうな面をしているだろう、どうだ」
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しゃ高遊の風流天子、聖武天皇のおきさきで、次代孝謙帝のむずかしい政情のころまで皇太后の権をきかせていたお方である。ずっと格はおちるが鎌倉の尼将軍政子とどこか似通っている。
正倉院展を観る (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おいらもそう思ってるんだが、それからそれへと用がいてくるんで、そばからしゃくい出さないと、用が腐っちまうから仕方がないなんて笑って取り合いませんので。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一本歯の下駄げた穿いたまま、小さい三宝さんぼうの上にしゃがんだ男が、たすきがけで身体からだよりも高くり返った刀を抜こうとするところや、大きな蝦蟆がまの上に胡坐あぐらをかいて
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「誰が見るものかね。踊よりか、町で買った、擂粉木とこのしゃもじをさ、お前さんと私とで、持って歩行あるいた方がよっぽどおかしい。」
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
諸老すでニ異物トナリ二公モマタ逝ケリ。緑苔りょくたいハ閣ニ生ジ芳塵ほうじんしゃニ凝ル。アヽ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
沿道百余里、ちりをもおそれ、しゃを掃き、幕をひき、民家は炊煙もって、ただただ彼の車蓋の珠簾じゅれんとおびただしい兵馬鉄槍が事なく通過するのみをいのった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
博士はしゃがんだ。「まだいくらか温味ぬくみがあります、しかし息はもう絶えているようです。持上げますからちょっと手伝って下さいませんか」
私の両親は食事しながら笑ったりおしゃべりなどすると、これ、あばらへ御飯が引掛ひっかかりますといってしかった事を私は今に覚えている。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
頭灯ファールなんざ、こんなにでッかくて、喇叭がね、それも銀の喇叭が三つもついてるんでさァ。運転手が二人乗っていて、それがはァ棒でも嚥んだようにしゃッちょこばッてるんです。
墓地展望亭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)