“掬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すく65.0%
きく10.5%
10.0%
むす7.3%
しゃく2.2%
1.1%
しやく0.8%
スク0.8%
ムス0.8%
すくひ0.5%
つか0.3%
しゃ0.3%
すくい0.3%
むすび0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姫は悲しさに、もろ手を以てすくはうとする。むすんでも/\水のやうに、手股たなまたから流れ去る白玉——。玉が再び砂の上に並んで見える。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼が死に到るまで、その父母に対してはもとより、その兄妹に対して、きくすべき友愛の深情をたたえたるは、ひとりその天稟てんぴんのみにあらず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ガリ‐クルチと一緒に歌った『リゴレット』(三〇五一)は声も技巧も年を取り過ぎたが、父性愛の柔かな情緒はめども尽きない。
姫は悲しさに、もろ手を以てすくはうとする。むすんでも/\水のやうに、手股たなまたから流れ去る白玉——。玉が再び砂の上に並んで見える。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
などと、頤でしゃくって、ますを指した。そこには女学校に通うているらしい十七、八の桃割の、白い襟首と肥えた白い頬とが側面から見えた。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
それを最初は強い火にかけて上へ浮いて来るアクを幾度いくど丁寧ていねいくい取って三十分間煮てアクがいよいよ出なくなったら火を弱くして一時間煮詰めるのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
温泉場をんせんば普請ふしんでもときには、下手へた大工だいく真似まねもする。ひまにはどぜうしやくつてくらすだが、祖父殿おんぢいどんは、繁昌はんじやうでの、藩主様とのさま奥御殿おくごてんの、お雛様ひなさまこさへさしたと……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其でも、玉を拾ひ續ける。玉は水隱ミガクれて、見えぬ樣になつて行く。姫は悲しさに、もろ手を以てスクはうとする。ムスんでも/\、水のやうに手股タナマタから流れ去る白玉——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
其でも、玉を拾ひ續ける。玉は水隱ミガクれて、見えぬ樣になつて行く。姫は悲しさに、もろ手を以てスクはうとする。ムスんでも/\、水のやうに手股タナマタから流れ去る白玉——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
一妓ひとりのぎ社のうしろに入りて立かへり石の水盤てうづばちかれたる水をわづかすくひあらひしはたれりしならん。
「その御子を取らむ時に、その母王ははみこをもかそひ取れ。御髮にもあれ、御手にもあれ、取り獲むまにまに、つかみてき出でよ」
おいらもそう思ってるんだが、それからそれへと用がいてくるんで、そばからしゃくい出さないと、用が腐っちまうから仕方がないなんて笑って取り合いませんので。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
胸の動悸を静めるために、こおるが如きかけひの水を一すくいして、冷たい石段に腰を下しました。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
有一日あるひ伏姫は。すゞりに水をそゝがんとて。いで石湧しみづむすび給ふに。横走よこばしりせし止水たまりみづに。うつるわが影を見給へば。そのかたちは人にして。かうべは正しく犬なりけり。」云々しか/″\