“赭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あか93.3%
あから2.2%
1.3%
しゃ1.3%
あかぐろ0.9%
あかっ0.4%
あこ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少年は幽かに吃驚した色を表はしたが、うつろな眼を画布に向けて、返答をせずに、顔をあからめた。そして次第に俯向いてしまつた。
傲慢な眼 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
眼を空にして、割烹衣かっぽういの端で口をぬぐっているときお千代は少し顔をあからめた。お絹は姉の肩越しに、アンディーヴの鉢を覗き込んだが
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そのしたの、風化した花崗石グラナイトのまっな絶壁。そこから、白雲と山陰に刻まれはるばるとひろがっているのが、悪魔の尿溜につづく大樹海なのである。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
辿たどる姿は、松にかくれ、草にあらわれ、坂にしずみ、峰に浮んで、その峰つづきを畝々うねうねと、漆のようなのと、真蒼まさおなると、しゃのごときと、中にも雪を頂いた、雲いろいろの遠山とおやまに添うて
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、今まで毅然として立つてゐた、直也の男性的な顔が、妙にひきつツたかと思ふと、彼のあかぐろい頬を、涙が、滂沱ばうだとして流れ落ちた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
その時に螺旋巻ねじまきの時計の紐を胸に吊した、色のあかっちゃけた洋服を着た薄い口髯くちひげのある教師は何というたろう。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「この犬は鼻が黒いでしょう。あの犬は鼻があこうござんしたよ。」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)