“口髯”の読み方と例文
読み方割合
くちひげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と弁護士の方も軽く会釈したが、彼は五十五六の年輩の、こわ口髯くちひげも頭髪も三分通り銀灰色で、骨格のがっちりしたいかつい紳士であった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ただ胡麻塩ごましお色の口髯くちひげが好い加減な所から乱雑に茂生もせいしているので、あの上にあなが二つあるはずだと結論だけは苦もなく出来る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
白っぽい浴衣ゆかた兵児へこ帯をしめ、田舎臭い円顔に口髯くちひげはやした年は五十ばかり。手には風呂敷に包んだものを持っている。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)