“硬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こわ57.0%
かた31.3%
こは10.0%
0.7%
かと0.3%
こえ0.3%
こわば0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あか染みた、こわい無精髭が顔中を覆い包んでいるが、鼻筋の正しい、どこか憔悴やつれたような中にも、りんとした気魄きはくほの見えているのだ。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
元来がんらいこのバナナが正しい形状を保っていたなら、こんなえる肉はできずに繊維質のかた果皮かひのみと種子とが発達するわけだけれど
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
旅行をする折にも手がこはばるとけないからといつて、ピアノを汽車のなかに担ぎ込んで、ひまさへあれば鍵盤キイを打つてゐる人である。
眼も何かを見た瞬間、そのままわばったように動かない。——その情景は、漁夫達の胸を、のあたり見ていられないすごさで、えぐり刻んだ。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
御意見代りに大切だいじな膝借りるというたわけがあるかッ。貸すというても遠慮するが当りまえじゃ。三河流儀の旗本どもは骨がかとうて困る。お紋の膝だけは爾後じご遠慮するよう気をつけい。五位、行くぞ。
去年きよねんくれにや味噌みそくつちんではたれえたぜねしほまでつたんだな、れもこえめねえから味噌みそなくつちややうねえな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
(何存ぜぬことがあるものか、これはな、お雪、お前の体に使うのだ、これでその病気をなおしてやる。)ときっにらんで言われましたから、私はもう舌がこわばってしまいましたのでございます。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)