“気魄”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣魄
読み方割合
きはく98.9%
たましひ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あか染みた、こわい無精髭が顔中を覆い包んでいるが、鼻筋の正しい、どこか憔悴やつれたような中にも、りんとした気魄きはくほの見えているのだ。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それに参入した作者の気魄きはくと相融合して読者に迫って来るのであるが、如是荘大雄厳の歌詞というものは、遂に後代には跡を断った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
丑松は其精神を酌取くみとつて、父の用意の深いことを感ずると同時に、又、一旦斯うと思ひ立つたことは飽くまで貫かずには置かないといふ父の気魄たましひの烈しさを感じた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その山々は午後の日をうけて、青空に映り輝いて、殆んど人の気魄たましひを奪ふばかりの勢であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)