“瀉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そそ30.0%
くだ30.0%
しゃ20.0%
がた5.0%
うつ5.0%
5.0%
もど5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕暮にこの蝉が鳴くと、妙に寂しい落ち着かない気分に誘い込まれるが、明方であると軽快な調子がにわか雨のそそぐように賑かだ。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「吐くくだすで、げっそり痩せているから、嘘じゃないでしょう。妹のおそでが、枕元に付きっ切りで介抱だ」
後その猴たりしと聞き皆地に拠ってこれを吐き、ことごとくその食をしゃす、こはまだ始めより味を知らざるものなり(『淮南鴻烈解』修務訓)。
さうして潮の引いたあとのがたの色の恐ろしいまで滑らかな傾斜はかの大空の反射をうけた群青の光澤とともに、如何に私の神經を脅かしたか
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
御存じだと思うが、仏教の方で瀉瓶しゃへいと云う言葉がある。かめの水をうつえるように、すっかり伝えてしまうことである。貴殿に対する拙者の人相教授も瀉瓶だった。
奉行と人相学 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
いま気がついて、ムカムカとを催しても、彼の喰った栄螺は、もはや半ば以上消化され、胃壁を通じて濁った血となったのだった。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もちろん去年ほどの大流行ではありませんが、吐くやらもどすやらで死ぬ者が相当にあるので、世間がおだやかではありません。
半七捕物帳:66 地蔵は踊る (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)