しゃ)” の例文
鬼のように思われた正座のお奉行様も、閻魔が飴をしゃぶったように、ニタリニタリと笑って居ります。
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
と、人のすがたには見ながらも、自分も死馬の骨をしゃぶり、野鼠やそを喰い、木の皮、草の根まであさった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肉を刻まれ骨をしゃぶられても訴えるところがなく、生きてかえるのは珍らしい方とされた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
江戸中の黄蘗きはだを一度にしゃぶらせられた訳でもあるめえし、口の利かれねえ筈はねえ。飯を食う時のように大きい口をあいて物を云え。野郎、判ったか。悪く片附けていやあがると引殴ひっぱたくぞ
半七雑感 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)