“温味”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あたたかみ60.0%
ぬくみ26.7%
あたたか3.3%
あたゝかさ3.3%
あたゝかみ3.3%
おんみ3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一言すれば理窟ばかりで、面白味も温味あたたかみもない冷たい重苦しい感じのする人物だった。世辞も愛嬌もないブッキラ棒な無愛想な男だった。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
博士はしゃがんだ。「まだいくらか温味ぬくみがあります、しかし息はもう絶えているようです。持上げますからちょっと手伝って下さいませんか」
枕許に坐って、そっ掻巻かいまきの襟へ手を懸けると、つめたかった。が、底にかすか温味あたたかのある気がしてなりません。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左様さう言はれて見ると、始めて丑松が斯の寺へ引越して来た時のやうな家庭の温味あたゝかさは何時の間にか無くなつて了つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
互に信じて胸と胸とが触れ合つて、あやしい温味あたゝかみがその間に交流するなんて云つたのは、ズツト/\以前の事さ。今の世は詩や物語から分離して居る。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
ダァヰンの兄弟分ワレース博士は、蛇にのまるゝかわずは苦しい処ではない、一種の温味おんみにうっとりとなって快感かいかんを以て蛇ののどを下るのだ、と云うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)