“はば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
32.4%
25.7%
25.0%
9.2%
4.6%
幅員0.7%
0.7%
0.4%
羽羽0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
現に我々の親・おおじの通って来たみちが是であり、今でも一部の同胞が天然にはばまれて、なお脱却しかねている境涯も是だからである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
だんだん、下にさがるほど、鉄骨のはばが広くなって、展望台のすぐ上まできたとき、長島君は、思わず「あっ。」と、声をたてました。
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
高枕したまま起きようともしない主水之介の居間にもその夕やみが忍びよったとき、突然、玄関先ではばるようにおとのうた声がある。
彼女は、私の注文を聞くと、一揖いちゆうしてくるッと背後うしろを向き、来た時と同じように四つ足半の足はばで、ドアーの奥に消えて行った。
白金神経の少女 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
言うことをはばんでしまったようなただいまの一句、「まるで、お嫁さんにでも……」と言った言葉尻をとらまえてしまいました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「見給え」と、頚に着いている紫いろの痕と、その紐を指さして較べながら、「幅員はばが違いますね」
ロウモン街の自殺ホテル (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
はばまれた時は、どうなるかと思いました。幸いにその途中で夫に逢えたもんですから、こんな幸運て、ちょっとありませんわ
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
はば、いたこッて何んだ?——山利やまりさいたこ来てな、今日おばおろして貰ったけな、お父えま死んで、火の苦しみば苦しんでるんだとよ。」
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
はばさ云ってやるから!」——由三は大声で泣きながら、通りを走り出した。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
また我に接吻くちづけて羽羽はばたく白鳥はくてう
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
不死鳥フエニクス羽羽はばたきだ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
清潔きれいずきで、身綺麗だった祖母に愛されたとはいえ、祖母はもう七十三歳にもなっていたので、抱きかかえての愛ではなく、そしてまた、祖母の昔気質から、もろもろのことをはばまれもしたり
茶の後、直ぐ川を渡って針葉樹林の生態せいたいを見に行く。はばけん程の急流に、ならの大木が倒れて自然に橋をなして居る。幹を踏み、こずえを踏み、終に枝を踏む軽業かるわざ、幸に関翁も妻も事なく渡った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
画帖がちょうの画も、狸が亀を押しころがしてジッと前足で押さえて居たり、蛇がはばたく雀をわんぐりとくわえて居たり、大きな猫が寝そべりながらすごい眼をしてまだ眼の明かぬ子鼠の群をにらんで居たり
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)