“拒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こば79.1%
ふせ8.5%
しりぞ3.0%
は3.0%
こと1.3%
こばむ0.9%
はば0.9%
いな0.4%
こ0.4%
ことわ0.4%
さ0.4%
さえ0.4%
しり0.4%
へだた0.4%
フセ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言葉と言葉とがおたがいに相続き合う事を妙に拒(こば)みでもしているように感じられたりしていつも五行と書き進める事ができなかった。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
その猴取って置きの智慧を揮(ふる)い、戸を開いてその上端に厚き毛氈を打ち掛け、戸の返り閉づるを拒(ふせ)ぎ、やすやすと目的を遂げたそうだ。
私の家が派手になったのは太物商のためと、女の姉妹が多く父は至って子煩悩なので、子供の願いを拒(しりぞ)けることが出来ないためだった。
光り合ういのち (新字新仮名) / 倉田百三(著)
仕事を探すにしても、女中の口より外にはなく、しかも赤ん坊という瘤(こぶ)がついているものだから、何処へ行っても拒(は)ねられた。
小さきもの (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
かくまで我らが礼を尽くし、お請待(しょうたい)申すを無下(むげ)に拒(こと)わり、我らに背後(うしろ)を見せるとは! 我らは決して貴殿に対し危害を加えは致さぬつもり。決して刀は抜かぬつもり。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
○法性坊尊意(そんい)叡山(えいざん)に在し時 菅神の幽灵(いうれい)来り我冤謫(むしつのながされ)の夙懟(ふるきうらみ)を償(むくはん)とす、願くは師の道力をもつて拒(こばむ)ことなかれ。尊意曰、卒土(そつと)は皆王民なり、我もし 皇(みかど)の詔(みことのり)をうけ玉はらば避(さく)るに所なし。
十一時頃にはもう、すっかり調子づいて、ワッワッという騒ぎ——、何(ど)んな大事件が起っても、この恐ろしい歓喜を拒(はば)めそうもありません。
悪魔の顔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
劉備は強いて拒(いな)まなかった。そこで三名は、鼎座(ていざ)して、将来の理想をのべ、刎頸(ふんけい)の誓(ちかい)いをかため、やがて壇をさがって桃下の卓を囲んだ。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを拒(こ)ばまない気持というのは現代の半分自覚して半分自覚せず、その自覚しない半面では強く現実の中の打算に負けている女の心の動きかたを語っていると思います。
女性の生活態度 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「解らん奴に何だつて見せる必要がある。きつぱり拒(ことわ)つちまへ、見る人が無かつたら、一人で舞ふまでさ。」
逃げかくれる気持も分るが、それをいま一度趁(お)うようになるのも拒(さ)けられぬ女の心だった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
何か斯う、独占出来得べきものを、人に拒(さえ)ぎられて居ると云ったような心持がはっきり感じられた。
大奥づとめを拒(しり)ぞけて、二度と城内にはいろうとしなかったら、三斎父子の驚きと狼狽とは、どのようなものであろう——それこそどうしても、一度は見てやらねばならぬものだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
玉屋金兵衞の大名屋敷ほどの家と、古道具屋與次郎の小さい汚い店は半丁とも離れて居りませんが、成程提灯と釣鐘以上の拒(へだた)りです。
「北ハ曹操ヲ拒(フセ)ギ、東ハ孫権ト和ス。お忘れあるな」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)