“こば”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コバ
語句割合
87.3%
胡馬1.9%
木片1.4%
1.4%
木場0.9%
木端0.9%
木羽0.9%
光葉0.5%
古婆0.5%
0.5%
小端0.5%
小葉0.5%
0.5%
胡場0.5%
蒲葵0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると彼女は私のこの無躾な仕草をこばまなかったばかりでなく、僅かに首をうなずかせて、私の申出でをも受入れて呉れたのである。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「なら、胡というのは、どうだ。胡馬こば北風にいななくの胡だ。しんを亡ぼすものは胡なり、の胡だ。これなら、貞任さだとう宗任むねとうの子孫らしいぞ」
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
柿の葉の濡れてかぶさる木片こば屋根やねに夜ふけて来る月のかげあり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
更に、その時計を進ませたと云うのには、何か幡江の追及をこばむ意外にも、意味があるのではないだろうか——などと考えて来ると、法水の頭の中が急にモヤモヤとして来た。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
木場こばさん。こんなことを
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
園はまた父の手紙を見つめたまま、右手の指で机の木端こばたたきながら長く考えつづけた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
春も稍深やゝふかくなれば雪も日あたりはとけあるひは焼火たきびの所雪早くとくるにいたりて、かの屋根のそんじたる処木羽こばの下たをくゞりなどして雪水もるゆゑ
赤穂郡矢野村小河おうご(いまの相生市)の旧家光葉こばという、妙な苗字の家の出であった。この家は蘇我馬子の家臣光菴の子孫とか伝えている。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
橘の古婆こばのはなりが思ふなむ心うつくしいであれは行かな (同・三四九六)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
三斎もそれをこばまん由はなく、今し甲士が分捕ってもたらしたばかりの一巻をとって、政宗の手に置いた。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そしてしばらくは手紙を開封することもなく、人さし指を立てて机の小端こばを軽く押えるように続けさまにたたきながら、じっと眼の前の壁を見つめていた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「あれは合歓木ねむの木立でしたよ。そら、昼のうちは暗緑色の小葉こばを開いていて、夕方になると、眠るように葉の表面をとじ合わせて、白っぽい裏を出してしまう……」
闖入者 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
こばさわぎ枝にひたすがる燕の揺れ一羽は宙にまだ羽うちつつ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
胡場こば北風ほくふういなゝき、越鳥ゑつてう南枝なんしくふ、故郷こきやうわすれがたきは世界の人情にんじやう也。
その人は、荷物が軽くて勿体ないといって背負いこみたいな簠簋ほき蒲葵こばの葉を一束つみ、その上に私の鞄と靴をのせてきてくれた。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
薙刀なぎなたの折れでもあるような細いなたが、彼女のしなやかな手に振上げられた。あっと、武蔵が息をむ間に、はやその鉈の刃は、琵琶のこばへ深く入っていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
痛惻にへざるなり、彼等は高妙なる趣致ある道徳を其門にこばみ、韻調の整厳なる管絃を謝して容れず、卑野なる楽詞をて飲宴の興を補ひ、放縦なる諧謔かいぎやくを以て人生を醜殺す。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
たつての頼みをこばみ難く、態々わざ/\迎ひに來たと語るのであつたが、然し一言もお定に對して小言がましい事は言はなかつた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)