“蒲葵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
クバ50.0%
くば10.0%
こば10.0%
びろー10.0%
アヂマサ10.0%
ビラウ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蒲葵クバの葉の簑笠で顏姿を隱し、杖を手にしたまやの神・ともまやの神の二體が、船に乘つて海岸の村に渡り來る。
沖縄でも屍体を蒲葵くばの縄で縛り埋めたが、硬直せる屍体の膝を折ることなどもあって、実に惨たらしいものであったと聴いている。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
その人は、荷物が軽くて勿体ないといって背負いこみたいな簠簋ほき蒲葵こばの葉を一束つみ、その上に私の鞄と靴をのせてきてくれた。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
樹林じゆりんには榕樹がじゆまる赤榕樹あかうその蒲葵びろーやたこのきといつたものがさかんにそだつてそらをおほうてゐますが、なかでも榕樹がじゆまるはこのたい代表的だいひようてきなものですから、𤍠帶林ねつたいりんのことを榕樹帶がじゆまるたいともいひます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
海のあなたの大陸は蒲葵アヂマサの葉や、椰子の実を波うち際に見た位では、空想出来なかつたであらう。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
成年式を経た若衆が、厳重な秘密の下に、簑笠を着、顔を蒲葵ビラウの葉で隠して、神の声色を使うて家々を廻るのである。海のあなたから渡来した神に扮して居る訣である。