“榕樹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようじゅ26.7%
あこう13.3%
ようじゆ13.3%
ガジマル13.3%
あかのき6.7%
がじゆまる6.7%
がぢまる6.7%
たこのき6.7%
ガジュマル6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
モレロが、けわしい目をして、沼畔の榕樹ようじゅの根かたを、つきさすようにゆびさした。ツルガ博士とネリは、さっきからずっとそこにいたのだ。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これはちょうど榕樹あこうの陰に、幼な児を抱いていたのですが、その葉にうしろさえぎられたせいか、紅染べにぞめの単衣ひとえを着た姿が、夕明りに浮んで見えたものです。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
驟雨しうういて力車りきしやに乗り市内を見物して廻つたが、椰子やしは勿論、大きな榕樹ようじゆ、菩提樹、パパイヤじゆ爪哇竹ヂヤワちくなどの多いのが眼に附く。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
彷徨ほうこうすること暫し、台地が東側の大峡谷に落ちこむ縁の所に、一本の素晴らしい巨樹を見付けた。榕樹ガジマルだ。高さは二百フィートもあろう。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
靈木榕樹あかのきは單獨に聳えたつのではなく、多くの絲を吊下げて、地の胸を撫探なでさがし、宛も自ら築きたつ殿堂のやうだ。しかしこれから椰子の樹のことを語らう。
椰子の樹 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
樹林じゆりんには榕樹がじゆまる赤榕樹あかうその蒲葵びろーやたこのきといつたものがさかんにそだつてそらをおほうてゐますが、なかでも榕樹がじゆまるはこのたい代表的だいひようてきなものですから、𤍠帶林ねつたいりんのことを榕樹帶がじゆまるたいともいひます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
榕樹がぢまる、ビンギ、梯梧でいご福樹ふくぎなどの亜熱帯植物が亭々と聳え、鬱蒼と茂り合った蔭に群った一部落。家々の周囲には竹やレークの生籬が廻らしてある。その家が低い茅葺で、むさくるしい事は云ふ迄もない。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
××というのは、思い出せなかったが、覇気はきに富んだ開墾家で知られているある宗門の僧侶——そんな見当だった。また○○の木というのは、気根を出す榕樹たこのき連想れんそうを持っていた。
雪後 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
本あぜ道は榕樹ガジュマルの林へ向っていた。そこまではまだ二三町あった。さいわい黍畑は続いて居た。はるかに瑠璃るり色の空を刻み取って雪山の雪が王城の二つやぐらを門歯にして夕栄えにきらめいて居た。
百喩経 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)